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「錬金術師殿！！」
ヨキは涙を流しながら感激だとでも言うかのようにエドの手を強く握っている。
エドは作り笑いをしながらヨキに話を続けた。
「でも金の錬成は違法なので…バレないように一応“経営権は無償で穏便に譲渡した”っていう念書を書いてもらえるとありがたいんですけど…」
「おお、かまいませんとも！では早速手続きを…しかし錬金術師殿もなかなかの悪ですのう」
「いやいや中尉殿ほどでは…」
ほほほ
ふふふ
と、楽しそうに笑い合う二人。悪どい。
「なのしそうだネ」
『そだネ』
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
「はーい皆さんシケた顔ならべてご機嫌うるわしゅう♡」
エドがバンッと扉を開けて入ったのは炭鉱夫達の溜まり場だ。その小屋には店で見かけた面々が全員揃っている。
「…何しに来たんだよ」
「あらら、ここの経営者に向かってその言い草はないんじゃないの？」
「てめッ何言っ……」
炭鉱夫の一人がエドに詰め寄ろうとした瞬間、エドはその男の目の前に紙をつき出した。
「……これは…」
「ここの採掘・運営・販売その他全商用ルートの権利書」
「なんでおめーがこんな物持って…あーーー！！名義がエドワード・エルリックって？！」
「「「なにぃ！！？」」」
「そう！すなわち今現在！この炭鉱さオレの物って事だ！！」
その言葉を聞いて炭鉱夫達の顔色が一気に変わった。
「…とは言ったものの、オレたちゃ旅から旅への根無し草」
『権利書なんてジャマになるだけで…』
「…俺たちに売りつけようってのか？いくらで？」
「高いよ？」
親方のそのセリフを待っていましたと言わんばかりにエドはニヤリと笑った。
「何かを得ようとするならそれなりの代価を払ってもらわないとね。なんたって高級羊皮紙に金の箔押し。さらに保管箱は翡翠を細かく砕いたものでさりげなくかつ豪華にデザインされている。うーんこいつは職人技だね。おつまと鍵は純金製ときたもんだ。ま、素人目の見積もりだけどこれ全部ひっくるめて＿＿＿＿＿」
ぺらぺらと言葉を並べ、エドが提示した代価は＿＿
＿＿＿＿
「親方んトコで一泊二食三人分の料金＿＿＿＿てのが妥当かな？」
「＿＿＿＿あ…等価交換…」
「はは……はははは、たしかに高ぇな！！
よし買った！！」
「売った！！」
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作者名：はちまき | 作成日時：2022年2月10日 12時
