・ ページ17
「足りん……」
財布の中身を見ながらエドが呟く。
『……やっぱり私も国家試験受けた方ようかな…そっちのが金銭に余裕出るし…「ダメだ」あ、はい』
「こうなったら錬金術でこの石ころを金塊に変えて！」
「金の錬成は国家錬金法で禁止されてるでしょ！」
「バレなきゃいいんだよバレなきゃ」
『「兄さん悪！！」』
という会話を店の隅で繰り広げていたところ、あっさりカヤルにバレてしまい、見事に店内の人達に錬金術師だということがバレてしまった。
やいのやいのと人が集まってくる中、錬金術師だと証明するためツルハシの修理を頼まれたエド。綺麗に修復した後、親方が錬金術をかじっていたこともあり、錬金術師のよしみとして代金をサービスしてもらうことが出来た。
「大まけにまけて10万！」
「まだ高えよっ！！」
「そういや名前聞いてなかったな」
「あ、そうだっけ。
エドワード・エルリック」
がちっ、とエドの持っていたフォークが机に当たった。それもそのはず、エドが手を付けようとしていた料理を親方が取り上げたからだ。
何が起こったのか分からず、私達は親方の方をじっと見つめる。
「錬金術師でエルリックって言ったら＿＿＿＿国家錬金術師の？」
店内の人々の目付きが変わった。先程とはうってかわり空気がピリピリしているのを感じる。
「……まあ、一応…」
そう言ってエドが飲み物に手を出そうとすると、親方の手によってそれも取り上げられてしまった。
「なんなんだよいったい！」
「「「出てけ！」」」
気が付くと、私達は店の人々の手によって店外へ放り出されていた。何が何だか全く分からない。
「こらー！！オレたちゃ客だぞ！！」
「かーーーぺぺぺっ！！軍の犬にくれてやるメシも寝床も無いわい！！」
「あ、ボクは一般人でーす！国家なんたらじゃありませーん！」
「裏切り者っ！！」
そう言うとアルは店の人達と一緒に店内へ戻って行った。まあ裏切りとかではなくアルの事だから単に情報収集として入るだけだろう。ついでにご飯持ってきてくんないかな。
「アルの奴ぅ……それにしてもなんでAはアルに着いてかなかったんだよ」
『えっ？あー…まあ確かに私も腹減ってたんだけど兄さんほっとくのなんか嫌だなーって』
「……A〜〜〜！！！」
『うわーっ！ベタベタくっつくなァー！！』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 64人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：はちまき | 作成日時：2022年2月10日 12時
