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「やっとおまえらの身体を元に戻せるかと思ったのにな…」
「ボクより兄さんと姉さんの方が先だろ。機械鎧は色々大変だし、視界が半分しかないのって生活に支障出るしさぁ」
『いやいや私より兄さんとアルの方が圧倒的に身体のパーツ足りないしそっち優先し「「いや、巻き込んだのオレ・ボク達だし姉さんが先だ」」そ、そっかー…別に後でも全然いいんだけど…』
「___ま、しょうがない。また次さがすか…」
兄さんが立ち上がったのを合図に私とアルもその場を立ち去ろうとすると、後ろから消え入るようなか細い声が聞こえた。
この場で声の主といったらやはり一人しかいない。
「うそよ…だって…生き返るって言ったもの…」
『ロゼ…』
「諦めなロゼ。元から____」
「…なんて事してくれたのよ…
これからあたしは!何にすがって生きていけばいいのよ!!」
ロゼの悲痛な叫びに胸がきゅっと軋むのを感じた。
涙を流し怒りをぶつける彼女に私は上手い言葉をかけることができない。
「そんな事、自分で考えろ」
そんな中、エドがゆっくり口を開く。
「立って歩け、前へ進め、あんたには立派な足がついてるじゃないか」
エドはそう言うと、私とアルを連れてその後は何も言わず、別れの言葉もなくその場を去った。
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汽車の揺れが心地良い。
あの街でいろいろあった後なのも相まって私の眠気はピークに達していた。
「…姉さん眠いの?膝貸そうか?」
『あー…いや、アルの膝硬いから…遠慮しとく…』
「そっか……それにしても、ホントにこの汽車だーれも乗ってないね」
「うわさには聞いてたけどこれほどとは…だいたいこんな所に観光もないだろうけどな
“東の終わりの街”ユースウェル炭鉱」
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作者名:はちまき | 作成日時:2022年2月10日 12時