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「教主さんもう一度言う。痛い目見ないうちに石をボク達に渡してほしい」
『大人しく渡してくれれば悪いようにはしないからさ』
しかし説得も虚しく、教主は大人しく渡すどころか自身が持っていた杖をマシンガンへ錬成していた。
「くく…神に近づきすぎ地に堕とされた愚か者どもめ…ならばこの私が今度こそしっかりと…
神の元へ送り届けてやろう!!」
教主は銃口を向けると、私達へ躊躇無く弾丸をぶっぱなした。煩い発砲音が耳障りだったが、瞬時に壁を錬成したためそれ以外私達に特に影響は無かった。
「ち!!」
銃による煙幕を利用しアルはロゼを救出。頑丈な鎧で出来た体のためアルは撃たれても特に大きな損壊は無かった。
「アル!A!いったん出るぞ!」
「バカめ!!出口はこっちで操作せねば開かないようになっておる!!」
『はっ!知ったこっちゃないね!無いなら…』
私は壁に手を当て大扉を錬成した。
『作るまでよ!』
扉を勢いよく開き、私達は脱兎のごとくその場から逃げ出した。勢いよく扉を開けたせいか多少腕がじんじんするがまあ、問題ないだろう。
「何をしておる!追え!教団を陥れる異教徒だ!!早く捕まえんか!!」
廊下に沿い真っ直ぐ走っていると、案の定目の前に追ってが立ち塞がった。
「止まれそこの者!」
「ほらボウズ、丸腰でこの人数相手にする気かい?」
「ケガしないうちにおとなしく捕まり…」
パンッ
ドッと、瞬時にエドの機械鎧の右腕が禍々しい刃物へ錬成される。追っ手たちはその凶器を見て怖気付き、私達とは反対方向へ一目散に逃げ出した。
廊下の角を曲がった場所にも追っ手は複数人いたが、それはアルの蹴りによって瞬時に殲滅された。
しばらく走っていると、何やら先頭を行っていたエドが気になる部屋を見つけたようだった。
その部屋を覗くと、机の上にマイクや教典が置いてあったりしている。
「この部屋は…」
「放送室よ。教主様がラジオで教義をする…」
「ほほーう」
『「(あ、なんかいやらしい事考えてる)」』
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私とアルはエドが練った作戦を実行するため、ロゼを連れていったん外へ出ていた。
アルは塔にあった鐘を勝手に拝借し、地面に下ろしている。
すると作業の途中、ロゼが急に話し出した。
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作者名:はちまき | 作成日時:2022年2月10日 12時