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第2話 命の代価 ページ12

「…なるほど、そうか貴様…なぜこんなガキが“鋼”なんぞ厳つい称号を掲げているのか不思議でならなかったが…そういう訳か………

ロゼ、この者達はな錬金術師の間では暗黙のうちに禁じられている人体錬成を…最大の禁忌を犯しおったのよ!!」

「…!!」




_____________________

アルフォンスside






それは昔に遡る。


「アル!アル!アルフォンス!!」

「どうしたのさ兄さん」

「これだ!この理論なら完璧だよ!」

「これってまさか…」

「そうだ!母さんを生き返らせる事ができる!」


生命を創り出す事になんの疑いもなかった。
やさしい…本当にやさしい母さんだった。
ボク達はただもう一度はただもう一度母さんの笑顔が見たかったんだ。

姉さんには秘密裏に行った。母さんの代わりになろうと自分を犠牲にして頑張ろうとする姉さんを驚かせたかった。もう苦労させたくなかったから。

たとえそれが錬金術の禁忌にふれていても、それだけのためにボク達は錬金術を鍛えてきたんだから…








錬成は失敗だった。








錬成の過程で兄さんは左足を。
何をしているのか様子を伺いに来た姉さんは右目を。
ボクは身体を全部持って行かれた。

ボクの意識はそこで一度途切れ…次に目を開けた時に見たものはこの鎧の身体と血の海の中の___


「へへ…ごめんな。右手一本じゃおまえの魂しか錬成できなかったよ」

「なんて無茶を…!!」

『は、やく、兄さんの止血をしないと…クソっ視界が半分しか…』




__________________



「兄さんは左足を失ったままの重症で…今度はボクの魂をその右腕と引き替えに錬成してこの鎧に定着させたんだ」

「二人…いや、三人がかりで一人の人間を甦らせようとしてこのザマだ…ロゼ、人を甦らせるって、ことはこういう事だ


その覚悟があるのか?あんたには!」

「くくく…エドワード・エルリック!!貴様それで国家錬金術師とは!!これが笑わずにいられるか?!」

「うっせーんだよ、石が無きゃ何もできねぇどサンピンが!」


高みから見下ろし何もしてこないくせに口だけは達者な教主に苛立ちを覚えながらも、私はエドと教主の口論を大人しく聞くことにした。


「なるほどなるほど、それで賢者の石を欲するか。そうだなあ、これを使えば人体錬成も成功するかもなぁ?」

「カン違いすんなよハゲ!石が欲しいのは元の身体に戻るためだ。もっとも元に戻れるかも、だけどな…!」

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作者名:はちまき | 作成日時:2022年2月10日 12時

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