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ガコン、というレバーを下ろす音と共に何かが迫ってくる気配を感じた。
広い室内の奥から禍々しい雰囲気と共に現れたのは____合成獣だった。
「この賢者の石というのはまったくたいした代物出な。こういう物も作れるのだよ。合成獣を見るのは初めてかね?ん?」
すぐそこまで迫ってきた合成獣に、エドはいつもの態度を崩すことなくソレに向かう。
「こりゃあ丸腰でじゃれあうにはちとキツそうだな、と」
そう言って手を合わせ地面に両手をつくエド。すると激しい光と風圧と共に、地面から槍が錬成された。“錬成陣なし”で。
「うぬ!錬成陣も無しに敷石から武器を錬成するとは…国家錬金術師と名は伊達ではないという事か!!だが甘い!!」
合成獣は躊躇無くエドの脚に斬りかかった。
その鋭い爪で錬成した槍が輪切りにされ、エドのズボンの片方がズタズタに破れる。
「うはははは!!どうだ!!鉄をも切断する爪の味は!?」
「エドワード!!」
____しかし、瞬間合成獣の爪がベキ、と折れた。
状況を飲み込めない合成獣にエドは躊躇なく蹴りを入れる。爪では歯が立たないと理解ひたのか、今度はエドの腕に噛み付く合成獣。だが全く噛みちぎれないエドの腕。
必死に噛み付く合成獣だったが、それはエドの顎への蹴りによって無意味に終わった。
合成獣の顎の骨が砕ける音がした。
「ロゼ、よく見ておけ」
ボロボロになった赤いコートを脱ぎながらエドはロゼに言葉を投げる。
コートが無くなったことで露になったエドの腕。
「これが人体錬成を…神の領域とやらの領域を侵した咎人の姿だ!!」
「鋼の義肢“機械鎧”…ああ、そうか……」
光を反射するエドの右腕。義手の右腕が露になり、教主はやっとエドのふたつ名の由来を理解したらしい。
「鋼の錬金術師!!」
「降りてこいよド三流。核の違いってやつを見せてやる!!」
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作者名:はちまき | 作成日時:2022年2月10日 12時