･教室に2人 ページ17
･
テスト勉強の息抜きに部室でギターを奏でた後,廊下を歩いていると教室に人影を見つけ足を止めた。
友「何してんの〜孝」
孝「んっ？友也か…ちょっとノートをまとめていた」
机の上には大量の参考書があり,見ただけで頭が痛くなった。
真面目だなと関心しながら,孝と向き合う椅子に座るといつもと違う姿があった。
友「あれ,メガネしてんの？」
孝「たまに付けたくなるんだ」
何かレアな姿を見れたと思うと嬉しかった。
静かな教室に,シャープペンシルの音と参考書を開く音だけが聞こえる。
全く見向きもしない孝に俺は,"なぜか嫉妬していた"
孝にキスされたあの日から,俺は孝を見る目が変わっていった。
最初は孝の事を避けていた。キスが演劇の練習だと分かっていても俺には許せなかった…
"1言言ってくれてもよかったのに"
ずっと無視するのも孝に悪いと思い,時間は掛かったが普段通り話せる関係にまで回復した。
俺の心情に変化があった事を,きっと孝は知らないだろうな…
孝の事を自然と目で追うようになった。孝が他の人と楽しく話す姿を見るのが嫌になった。
そして気づいた。
"孝の事を好きになってしまった事に"
男が男を好きになるのは,どう考えても気持ち悪いし付き合うなんて以ての外。
孝は俺を友達としか思わないし,俺の気持ちを知ったらきっと離れていくに違いない…
"もう誰も離れてほしくない"
孝「友也,勉強は順調か？」
友「えっと…それなりに？」
確認したかっただけなのか,相変わらず視線はノートに注がれている。
1度でいいからこっちを向いてよ…
友「ねぇ,孝って好きな人いたことある？」
走らせていたシャープペンシルが一瞬止まるが,すぐに走らせ答える。
孝「…いたことはないな」
何処か意味深に言うと,顔を上げ俺の顔の様子を窺う。
孝「友也は"今"好きな人いるか」
友「ふぇっ!?今はさすがに…」
答え終わる前に視線を逸し,鼓動が一気に速くなり顔にも段々熱が集まってくる。
"どうかバレませんように"
孝「まぁ…男子校だから,好きな人を作るのは難しいか」
それは女子との接点がないから？
それとも…
孝「…さて,ちょうどいい所まで終わったから一緒に帰るか」
片付けを始める孝を他所に,早く顔の熱が引くのを手で煽ぎながら待っていると孝がクスリと笑った。
孝「そんなに暑いなら,帰りにアイスでも買おう」
友「孝の奢りでお願いね!!」
孝の背中を叩き先に教室に出ると,後から早足で向かってくる音に胸を踊らせた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 9人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
B民(プロフ) - 中途半端な愛さん» コメントありがとうございます,今後の2人の展開を楽しみにしていてください♪ (2019年2月3日 1時) (
レス) id: 572b3d69bd (このIDを非表示/違反報告)
中途半端な愛 - 夏月たちがどうなるのか気になります！ 読んでいて感情を揺さぶられる作品で、、、最高です。最高。 更新頑張ってください！ (2019年2月2日 23時) (レス) id: 55fb495860 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：B民 | 作成日時：2018年7月24日 20時
