瞳に映らない ページ8
リアル設定
kym side
俺は死んだ
「う…うっ…きょも…」
ごめん慎太郎
「…っ…きょもっ…！」
ごめん樹
「大我…大我っ…！！」
ごめん
ごめん
「…大我」
ごめん
泣かないで
北斗
.
目の前の男は今日も本を読んでいる
今日はなんの本なんだろう
何回聞いても答えてくれない
いいじゃんちょっとぐらい見せてよ
…ダメなの？
ちぇ…
ここはオシャレなカフェだ
最近北斗のお気に入りらしい
いいお店を見つけたって嬉しそうに笑いながら樹に報告しているのを聞いた
俺にだって教えてくれてもいいのになぁ
なんて
今一緒に来れてるからいいんだけど
嬉しくてついつい頬が上がってしまう
でも…もっと俺に構ってほしいな…
ちょっと不貞腐れていると
お待たせしましたと言ってコーヒーを運びに来るお姉さん
綺麗な人
確かに綺麗な人だけど…
そんなに見つめないでよ
あの人のことがすきになったの？
でもすぐ本に戻る視線
……どっちなの
ガタッ
って、え！！
もう出るの！？
ちょっとまってよ！！
早いよもう！！
…
でも…追いついた
いいんだ並んで歩けるなら
俺のちょっと前を歩く北斗はかっこいいなぁなんて
やっぱりいつも思ってしまう
いくら話しかけても
ずっと一緒にいても
目も合わせてくれない
ただ俺が
金魚の糞みたいにずっと付いていくだけ
でも
それでいい
.
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作者名：プリン | 作成日時：2019年6月27日 1時
