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◇愛を教えて ページ2

愛ってなんだと思う?

ふと、そんなことを思ってすでに食べ終え、ただの木片となったアイスの棒を見つめながらぼそりと聞いた。

私より少しだけ背の高い隣の彼をちらりと見ると頬をつたう汗を首元のタオルで拭いながらしかめっ面をしていた。

「それ、俺に聞くの?」

苦い声で彼は聞き返す。

私はこくりと頷く。ぽたりと汗が流れ落ちた。

「急にそんなこと聞かれても…。女友達に聞けよ。」

無愛想にそう返された。まぁ、男友達にする話ではない。

でも、答えを得るだけでは意味がないのだ。

「君に聞いてみたいの」

前を向いたままで私も無愛想に返した。ちょうど近くにゴミ箱があったので、はずれの棒を投げ捨てた。ナイスシュート。彼は軽い声をとばす。

愛、愛ねぇ…。

困ったように彼は繰り返す。

別に私だって愛されることを知らないわけではない。

父も母も友達も私を大切に思ってくれていることを知っている。私だって、大切に思っている。

でも多分、今求めてるのはそういう愛じゃない。

「なんか、あれだよな、高校生が部活帰りにする話題ではないな。」

まぁ確かにその通りなんだけど。なんでも知りたがる幼い少女でもなければ、悟りを開いた大人というわけでもない。

「真面目に答えて。」

ちょっとむっとして言うと、あっこれ真面目にする話なの?と茶化すように返された。

私は真剣なのでバカにするなと怒った。

「してない。してないよ。」

再度彼は思案顔をする。

愛ってなんだろう。

私の質問に真剣に答えようとしてくれている、彼に私は愛されているのだろうか?

彼の答えを待ち望んでいる、私は彼を愛しているだろうか?

「正直さ、」

立ち止まって彼はゆっくりと口を開く。また、彼の頬を汗がつたう。今日はとにかく暑い。

「そんなのよく分かんねぇわ。」

そんなのは分かってる、わかってて聞いている。

私が欲しいのはそんな言葉じゃ、きっとなくて。

私も立ち止まって声に耳を傾ける。

「だからさ、お互いに教えあいっこしよう。」

キュッとタオルを握りしめて彼は言った。

顔が赤いのは、この暑さのせいだろうか。

同じように暑さにゆだった頭では判断できない。

「一緒に勉強しよう」

彼の声は、やっと真剣になった。

私は、熱に浮かされるまま彼にねだる。

「じゃあ今教えて。」

あなたの愛を、教えて。



未来の旦那様は私に優しく口づけて私に愛を教えてくれた。

◇愛を学ぼう→←□夢



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作者名:ハル | 作成日時:2018年7月11日 23時

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