《ツイステ》記憶を取り戻した少女は歪んだ世界で何を思う《鬼滅の刃》 (ページ9)

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四拾九話:そしてページ9

『振り返るな！私はもう死ぬ！私の戦った分、耐え抜いた分、生き残れ！生き残って、鬼舞辻無惨を討ち取れ！

私の！最後の頼みだ！』

その、悲痛な叫びに炭治郎は涙を流した。

そして、刀を構える。

Aはそれを音で感じた。

彼女の思いは炭治郎に託された。

Aは安堵すると、静かに息を引き取った。

『というのが、私の過去だ。』

ｴｰｽ「グスッ、おま、マジでこんな地獄突っ込んでくんなよ！」

さすがに悪役達(ヴィランズ)とはいえ、鬼滅産の地獄には耐えられなかった。

涙を流さないものはいなかった。

『.....でも、私は、思い出せてよかった。』

そういったAに、トレイは尋ねる。

ﾄﾚｲ「でも、辛くないのか？」

『....辛い。とても。自分が原因で双子の妹が死んだのに、その存在さえ忘れていたことが。』

その言葉に、全員が思わず顔を歪める。

『だけど、それと向き合わねば、何も変わらない。叶華が死んででも守ってくれたこの人生を、後悔して終わらせたくない。』

ﾘﾄﾞﾙ「.....それは、二十五歳までしか生きられないとしても、かい？」

そう。すっかり忘れていたのだが、Aは痣が出ているため、二十五歳までしか生きられない。

それを聞くと、Aは少しだけ笑った。

『あぁ。だって、その二十五年.....残りの七年を、悔いなく生きるしかないだろう？寿命が短いからこそ、私は、後悔しないように生きたい。

短い人生だからこそ、一分一秒が大切なんだ。』

まぁ、そこまでできるような立派な人間ではないがな、とAは笑った。

初めて見る、Aの笑顔。

彼らは、彼女に惹かれていることを自覚し始めた。

外はもう夕方。

あたたかい光がカーテンの隙間から差し込み、Aを照らす。

マジックアワーが起きて、空は金色に染っていた。

それは、彼女が記憶を取り戻したことを祝福するような光景だった。

『あぁ。』

ふと思い出したように、Aは声を漏らす。

『これももう、いらないな。』

そう言って、Aは目から色ガラスを取り出した。

普通なら耐えられないほどの痛みを生じるのに、Aは簡単に取り出す。

髪は魔法で水を出し、それで洗い流した。

『これが、私だ。』

白い髪に、青い目。化粧も落としたため、ややつり目気味。

ﾘﾄﾞﾙ「.....うん。きっと、そっちの方がいいよ。」

ｹｲﾄ「あ、じゃあ写真撮っていーい？」

『あぁ。』

ここに来れてよかった。

Aは心からそう思った。