《ツイステ》心を持たぬ少女は歪んだ世界で何を思う《鬼滅の刃》

四十一話:失うだけ ページ49

『....』

その日から、Aは全てに置いて気力を無くすようになった。

煉獄の死を境に、いつ死んでもおかしくないような状態だった。

そんな、ある日の任務だった。

鬼「あはは！君みたいな、絶望した人間、私、だぁい好き！」

そう言って、鬼が幻覚を見せてくる。

血鬼術。鬼が持つ異能だ。

Aの目の前には、煉獄杏寿郎。

煉獄「私はお前が嫌いだ！」

『っ？！』

Aの瞳が揺れ動く。

煉獄「私が死ぬ時も来てくれなかった！役に立たないな！お前が死ねばよかった！」

『.........な。』

鬼「辛いよねぇ？怖いよねぇ？大切な人に罵倒されるんだもんねぇ！はやくはやく、絶望した顔を見せてよ！」

『.....煉獄を、侮辱するな！煉獄は、あんなことは言わない！あいつは、死ぬことを、恨んでいない！』

鬼「....つまんな。なーにが、死ぬことを恨んでない、だよ。くだらない。人間みんな、死ぬ瞬間は全部人のせいにする。あの時罪を重ねたのも、今死ぬのも自分のせいじゃないって。

そうやって死んでいくのが、人間なんだよ。ぜーんぶ屑みたい。

だけど、鬼は違う。鬼は完璧！老いないし、死なない！人間みたいな屑は、私たち鬼に跪くべきなんだよ！」

『....くだらぬ妄言を吐き散らすのは良いが、随分と間抜けだな。』

鬼「何が？煽りのつもり？」

『....来世は、鬼なんぞにならぬよう.....』

鬼「っぁ？な、いだい！いた！ヴぁぁぁぁぁ！」

Aは酷い痛みをその鬼に与えた。

既に首は切れている。

Aは、自分の愚かさに舌打ちをした。

失うことなんて、この鬼殺隊では当たり前のことだ。

だから、いつまでも後ろを向いている暇はない。

鬼殺隊である以上、剣士である以上、失っても失っても、前を向いて生きていくしかないのだ。

鎹鴉「任務！任務！宇髄天元ト合流点セヨ！遊郭ニテ、任務！

花魁ガ毎夜毎夜キエテイル！ムカウノダ！」

『......わかった。』

どこか吹っ切れたような、スッキリとした顔をしたAは、前を向いた。








『....兄者、これは？』

宇髄「おぅ、来たか！お前ら聞け！こいつは俺の妹にして、柱の中で最古参の宇髄A。ド派手に強ぇぞ！」

？？「びっ、美人？！結婚してください！」

？？「善逸、なんでそんなに恥を晒すんだ！あの、以前庇ってくれた方ですよね？」

？？「ふはははは！お前に勝てば俺は最強だ！」

『.....任務。遊郭であっているな？藤の花の家へ向かうから着いてこい。』

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