四十話:優しさ ページ48
夜。産屋敷邸には、Aを含む、柱10人が集まっていた。
Aが柱合会議に出れない理由は一つ、任務が朝から晩まで入っているからだ。
というのも、森や山の中で昼間でも活動する鬼はいる。
それらを討つのは、鬼殺隊一と言えるほどの聴力をもつAが適しているのだ。
故に、常に常に任務がある。
伊黒「ふざけるのも大概にしろ、宇髄妹。お館様の前で無断で顔を上げ、挙句途中で任務だと?貴様が普段から任務をこなしておけば良い話だろう。」
『.....朝から晩まで任務はある。いつもの量を変えても大して変わらない。また、お館様からの了承は得ている。
何か問題でもあるか?任務はお館様が割り振っていらっしゃる。』
伊黒「うっ.....」
『さて、始まるな。』
柱合会議も終わり数日、Aは家で鍛錬をしていた。
その日は偶然任務は入ってこなかった。
妙な胸騒ぎがして、Aは落ち着かなかった。
鎹鴉「カァー!任務!任務!」
『分かった。どこだ。』
ようやく任務が入る。
それでも、どこかAは落ち着かなかった。
それは、鬼を倒し、夜明けを迎えた時に来た。
鎹鴉「カァー!炎柱、煉獄杏寿郎、死亡!上弦ノ参ト対峙ノ末、死亡!」
『.....は?』
Aの頭が真っ白になる。
何故?どうして?そんな言葉で埋まる。
何故上弦の参と戦ったんだ?上弦は居ないはずだ。
そんなことばかり考える。
『なんの間違いだ?あの人が死ぬわけ....』
鎹鴉「遺書ト形見ダ!」
『っ!』
____拝啓、宇髄少女へ。
____恐らく、俺は死んだのだろう。
____鬼殺隊である以上、仕方の無いことだ。
____ただ、俺は、君に、生きていて欲しい。
____鬼舞辻無惨を倒し、普通の女の子として。
____俺は君に、普通の幸せを得て欲しい。
____俺の最後の望みだ。
____だから、俺が死んだとしても、気にするな。
____君は、強い。
____煉獄杏寿郎
『うそ、だ.....!』
遺書に、くしゃりと音を立ててシワが着く。
Aの手には、惡鬼滅殺と彫られた、赤い刀身の一部。
『何故.....煉獄....!』
大粒の涙が、Aの瞳から溢れる。
ギリ、と歯を食いしばるも、耐えきれず、Aは嗚咽を漏らした。
『ふっ.....うっ.....煉獄.......うぁぁぁぁぁぁぁぁ!』
思わず声を上げてなく。
記憶をなくして、初めての涙だった。
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あ - 八話でユウリに向かって貴殿と言っているんですが、ユウリは女性なので貴殿ではなく貴女では? (7月17日 14時) (レス) @page13 id: f2f05df21c (このIDを非表示/違反報告)
絵宙(えそら)(プロフ) - 二十話で”クローバー先輩”と言っていましたが夢主ちゃんって3年生じゃなかったですか…? (2020年10月26日 20時) (レス) id: ede154cf4d (このIDを非表示/違反報告)
ピカチュウ(プロフ) - あの、1つ訂正していただきたい箇所があって、もしご存知でしたら、申し訳ないのですが、ナイトイレブンカレッジではなく、ナイトレイブンカレッジです。上からですいません。とっても面白かったので、続き楽しみにしています。 (2020年10月22日 7時) (レス) id: 194fa15314 (このIDを非表示/違反報告)
へまとふぃりぃあ - 派手なコソコソ話という矛盾 (2020年10月17日 21時) (レス) id: a69079c5f6 (このIDを非表示/違反報告)
哭狼 - 拝みました、面白すぎて大好きです! (2020年10月16日 2時) (レス) id: adf4aefcff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花陽 | 作成日時:2020年10月6日 22時