三十九話:変化する歴史 ページ47
産屋敷「お早う皆。今日はとてもいい天気だね。空は青いのかな？顔ぶれが変わらずに半年に一度の柱合会議を迎えたことを嬉しく思うよ。」
ガツンと不死川が、裁判にかけられる少年を押し付ける。
『....お館様におかれましても、御壮健で何よりです。益々のご多幸を切にお祈り申し上げます。』
産屋敷「ありがとう、A。」
不死川は舌打ちをする。
不死川「畏れながら、柱合会議前にこの竈門炭治郎なる鬼を連れた隊士について、ご説明頂きたく存じますが、よろしいでしょうか。」
先程までの知性も理性もなさそうだったのに、急にきちんと喋り出す。
もちろん、Aを睨んだままだ。
それを対して気にせず、Aはお館様の方をじっと見る。
産屋敷「そうだね。驚かせて済まなかった。炭治郎と禰豆子のことは私が容認していた。そしてみんなにも認めて欲しいと思っている。」
柱-A「？！」
悲鳴嶼「嗚呼.....たとえお館様の願いであっても私は承知し兼ねる.....」
宇髄「俺も派手に反対する！鬼を連れた鬼殺隊員など認められない！」
甘露寺「私は全てお館様の望むまま従います！」
時透「僕はどちらでも....直ぐに忘れるので.....」
胡蝶「.....」
冨岡「.....」
伊黒「信用しない、信用しない、そもそも鬼は大嫌いだ。」
煉獄「心より尊敬するお館様であるが、理解できないお考えだ！全力で反対する！」
不死川「鬼を滅殺してこその鬼殺隊。竈門、冨岡」両名の処刑を願います。」
『....私は、認めようと思う。』
宇髄「っ？！」
『確かに、みな鬼に大切な人を殺されたのだろう。ただ、だからといって、人を喰わずに、人を守るために戦う者を、鬼だからと殺すのは違うのではないか。
それから、私情を交えて人の生死を決めるのは、鬼と同じだ。
また、鬼であれば必ずや戦力になる。人であれば限りはあるが、鬼であればほとんど限りがない。
信用する、しないではなく、単に鬼殺隊のためになるのではないでしょうか。』
その意見に、思わず不死川は反論しようとした。
しかし、お館様の前であるため、何も言えなかった。
産屋敷「A、ありがとう。そうかい。では、手紙を。」
御息女が手紙を読み上げる時だった。
『......またか。』
鎹鴉「カァー！下弦ノ出現情報アリ！A、迎ウノダ！！」
『....お館様、私は後の柱合会議のみ出席致します。』
産屋敷「ごめんね、A。よろしく頼むよ。」
すると、Aの姿が消えた。
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作者名：花陽 | 作成日時：2020年10月6日 22時
