二十四話:フードの下は ページ30
魔法薬は成功した。
ｳﾞｨﾙ「というか、あんた、ハーツラビュルでしょ。顔隠すなとかいう法律ないわけ？」
『ないな。』
ｳﾞｨﾙ「そう。ちょっと失礼するわね。」
Aとヴィルは、教室の端で話していた。
そして、急にヴィルがフードを外した。
その途端、ヴィルの動きが止まる。
ｳﾞｨﾙ「....あんた、女なの？」
声のボリュームを下げ、Aに問う。
『あぁ。以前、血まみれで落ちてきたのが私だ。学園長殿のおかげで、通うことが出来ている。』
ｳﾞｨﾙ「はぁ。あんたねぇ。女なんだからもっと体を大切にしなさい。って、顔に傷ついてるじゃない！」
『....あぁ、確かについているな。まぁ、手足を失ったわけでも、腹に穴が空いたわけでも、ましてや骨をおった訳でもない。すぐに治る。あんなもの、怪我の範疇ではない。』
その声は案外周りに響いていた。
全員が目を見開き、Aたちを見ていた。
『....兄者は片腕と片目を失った。主は呪いによって長くは生きられなかった。仲間の一人は、腹に穴を開けて死んだ。比べれば、私なぞ無事な方だ。』
ｳﾞｨﾙ「.....でも、ここでは違うわよね？」
『たしかにそうだな。けれど、ここでもまた責務が出来れば、それを成し遂げるためになんでもやるだろう。』
ｳﾞｨﾙ「全く！何をしたらそんなに価値観が歪むの....ここでは、綺麗にするのが基本！前のことなんてどうでもいいわ！」
『.....そういうものなのか？』
ｳﾞｨﾙ「当たり前じゃない！放課後、ポムフィオーレに来なさい。」
『すぐ忘れるから、出来れば、迎えに来て欲しい。』
ｳﾞｨﾙ「っ！分かったわ。どうせ同じクラスなんだし。なんか用事が出来ても後回しにしなさいよ。」
『わ、わかった。』
ヴィルの気迫に押されて、Aは放課後、ポムフィオーレ寮へ向かうことになった。
『....らしい。』
この話を聞いたトレイは頭を抱えた。
Aは女子。しかし、そのことは公にはできない。
しかし、もしポムフィオーレでたくさんの人にバレてしまったら.....
そう考えると、頭が痛くなってきたようだ。
Aに悪意はないし、誰も悪くない。
ﾘﾄﾞﾙ「きちんと、女性だってことは口止めしておくこと。」
『わかった。』
ｹｲﾄ「マジカメに載せないから、写真送ってねー！」
『....？分かった。』
Aは戸惑いながら。トレイは悩みながら。リドルとケイトはいつも通り、昼食をとっていた。
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あ - 八話でユウリに向かって貴殿と言っているんですが、ユウリは女性なので貴殿ではなく貴女では？ (7月17日 14時) (
レス) @page13 id: f2f05df21c (このIDを非表示/違反報告)
絵宙(えそら)(プロフ) - 二十話で”クローバー先輩”と言っていましたが夢主ちゃんって3年生じゃなかったですか…？ (2020年10月26日 20時) (レス) id: ede154cf4d (このIDを非表示/違反報告)
ピカチュウ(プロフ) - あの、1つ訂正していただきたい箇所があって、もしご存知でしたら、申し訳ないのですが、ナイトイレブンカレッジではなく、ナイトレイブンカレッジです。上からですいません。とっても面白かったので、続き楽しみにしています。 (2020年10月22日 7時) (レス) id: 194fa15314 (このIDを非表示/違反報告)
へまとふぃりぃあ - 派手なコソコソ話という矛盾 (2020年10月17日 21時) (レス) id: a69079c5f6 (このIDを非表示/違反報告)
哭狼 - 拝みました、面白すぎて大好きです！ (2020年10月16日 2時) (レス) id: adf4aefcff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：花陽 | 作成日時：2020年10月6日 22時
