二十話:記憶の欠片 ページ26
『.....あぁ、そうなのか。』
クルーウェル先生の頼みで薬草を取りに温室に来たAは、とある二人の話を聞いていた。
どうやら、この前口論になった生徒が実行犯。そしてもう一人の男が指示を出している。
話の中でトレイ・クローバーという名前が出てきたが、朝から寮の誰とも話していないAは多少のとっかかりはあるものの、特に気にしなかった。
気配と音を消して、話を聞き続ける。
話は終わり、二人はどこかへ行こうとしていた。それに伴い、Aも実験室に戻る。
音も立てず、一瞬で。
？？「....今、なんか変わったか？」
？？「？何言ってんすか？」
？？「いや、違うならいい。」
違和感を感じられたことも知らずに。
『....あぁ、そういえば。』
放課後、グリムに出くわしたAは、トレイ・クローバーについて思い出す。
とはいえ、容姿くらいだが。
保健室に入ると、ベットに寝ているトレイが居た。
『.....クローバー、大丈夫か？』
ﾄﾚｲ「あぁ。ところで、名前で呼ばないのか？」
『苗字....ファミリーネームは後だと知ったのでな。』
ﾄﾚｲ「俺とか、リドルは名前呼びでいいと思う。エースとかも。他の寮は分からないけど。」
『了解した。ところで、誰かを庇ったのか？』
Aはその怪我の仕方に見覚えがあった。どこで見たのか、誰がしたかも覚えていないような怪我の仕方だった。だが、確かにAは覚えていた。
ﾄﾚｲ「...！よく分かったな。リドルが階段から落ちそうだったから庇ったんだ。」
『そうか。』
ﾄﾚｲ「......もしかして、記憶が戻ったのか？」
期待の眼差しを向けるも、帰ってくる返事は否定だった。
『違う。どこかで、その怪我の仕方を覚えているんだ。誰がしたのか、どこで見たのかも覚えていない。しかし、確かにどこかで見た。』
ﾄﾚｲ「....そうか。」
『？』
淡い期待は呆気なく散る。しかし、Aに少しだけ記憶があることに、トレイは安心した。
しかし、それ以上に不安があった。
確かに覚えているのなら、それほど衝撃的だったはずだ。記憶を失ってもなお覚えているのなら、確実に。
しかし、本人でさえ知らない記憶を、トレイが見ることなど、不可能だった。
『....問題はないぞ。体の一部を失ったわけでも、一生の傷を負った訳でもない。
どうせ、25までの命。気にしなくとも直ぐに死ぬんだ。』
ﾄﾚｲ「....どういうことだ？」
花陽「一部修正しました！」
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あ - 八話でユウリに向かって貴殿と言っているんですが、ユウリは女性なので貴殿ではなく貴女では？ (7月17日 14時) (
レス) @page13 id: f2f05df21c (このIDを非表示/違反報告)
絵宙(えそら)(プロフ) - 二十話で”クローバー先輩”と言っていましたが夢主ちゃんって3年生じゃなかったですか…？ (2020年10月26日 20時) (レス) id: ede154cf4d (このIDを非表示/違反報告)
ピカチュウ(プロフ) - あの、1つ訂正していただきたい箇所があって、もしご存知でしたら、申し訳ないのですが、ナイトイレブンカレッジではなく、ナイトレイブンカレッジです。上からですいません。とっても面白かったので、続き楽しみにしています。 (2020年10月22日 7時) (レス) id: 194fa15314 (このIDを非表示/違反報告)
へまとふぃりぃあ - 派手なコソコソ話という矛盾 (2020年10月17日 21時) (レス) id: a69079c5f6 (このIDを非表示/違反報告)
哭狼 - 拝みました、面白すぎて大好きです！ (2020年10月16日 2時) (レス) id: adf4aefcff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：花陽 | 作成日時：2020年10月6日 22時
