十五話:鍛錬と新たな友人 ページ21
『.....鍛錬の禁止?!』
その日、保健室から珍しく、Aの焦った声が聞こえた。
トレイ「....いや、その怪我で鍛錬はダメだと思うぞ。」
ケイト「そうだね。左足痛めたんだっけ?」
リドル「申し訳ないよ....」
『いや、左足を着地の時に捻ったが、それだけで禁止なのか?!』
クルーウェル「当たり前だ。バッドガール、さらに怪我を増やしたら、今度はこれじゃ済まさないからな。」
『う......』
そして次の日。
朝早くから、Aは起きて外に出ていた。
言うまでもなく、鍛錬のためである。
しかし、足を使うような走る鍛錬はできない。なぜならすぐバレるから。←
そこで、黙祷をすることにした。座禅を組み、呼吸を意識する。
全集中の呼吸だけでなく、音の呼吸を始める。
コォォ....と言うと音が辺りに響いた。
??「なんの音....?」
ふと集中が途切れた。
人がいるのは分かっていたが、まさか近づいてくるとは思わなかったからだ。
『.....貴殿は?』
目を瞑ったまま声をかける。
エペル「え、あ、僕はエペル。」
『えぺるか。』
舌足らずな発音に思わず悶えそうになるも、エペルはぐっと飲み込む。
Aは座禅を組むのをやめて、エペルとむきあった。
『なぜ、コソコソと走っているんだ?鍛錬は自由であろう?』
エペル「り、寮長が、走り込むと筋肉が着いてごつくなるからって.....寮長は華奢な感じが好きだから。」
『.....しかし、それは寮長の問題であって、貴殿の問題では......いや、そうでも無いか。』
かつてのリドルを思い出し、Aは考えを正す。
そして、とあることを言った。
『筋肉を付けられないのなら、体力をつければいい。』
エペル「え?でも、筋肉はつけなきゃダメだと.....」
『私の体を見てみろ。鍛錬は毎日しているが、かなり華奢だ。あまり気に入っていないがな。筋肉の密度を上げれば、これくらい可能だ。特殊なトレーニングになるが、このような体型なら文句は言われないだろう。
貴殿が望むなら教えるが?』
エペル「うん!教えて欲しい!」
『そうか。』
それ以来Aは朝から鍛錬の際はエペルとするようになった。
エペルはポムフィオーレ寮。常に美しくいるべきだと言われているらしい。
華奢ながら、体幹と体力を付けたエペルは、日に日に動きが良くなった。
また、健康的になった。
その様子を、Aは弟を見るような目で見ていた。
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あ - 八話でユウリに向かって貴殿と言っているんですが、ユウリは女性なので貴殿ではなく貴女では? (7月17日 14時) (レス) @page13 id: f2f05df21c (このIDを非表示/違反報告)
絵宙(えそら)(プロフ) - 二十話で”クローバー先輩”と言っていましたが夢主ちゃんって3年生じゃなかったですか…? (2020年10月26日 20時) (レス) id: ede154cf4d (このIDを非表示/違反報告)
ピカチュウ(プロフ) - あの、1つ訂正していただきたい箇所があって、もしご存知でしたら、申し訳ないのですが、ナイトイレブンカレッジではなく、ナイトレイブンカレッジです。上からですいません。とっても面白かったので、続き楽しみにしています。 (2020年10月22日 7時) (レス) id: 194fa15314 (このIDを非表示/違反報告)
へまとふぃりぃあ - 派手なコソコソ話という矛盾 (2020年10月17日 21時) (レス) id: a69079c5f6 (このIDを非表示/違反報告)
哭狼 - 拝みました、面白すぎて大好きです! (2020年10月16日 2時) (レス) id: adf4aefcff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花陽 | 作成日時:2020年10月6日 22時