十六 ページ18
『無一郎君、取り敢えず私もお風呂入りたい。
早くあがってね。
考え事はお風呂あがってからでも出来るし。』
兎にも角にもお風呂に入りたい私。
何故かお風呂を譲ってくれない無一郎君。
……なんでよ!!!!!
譲ってくれたって良いじゃん!!??
無一郎君は1時間も入ったんだから!!!
次は私の番でしょ!!!!
……………落ち着きなさい時透○○。
落ち着くのよ。
叫ぼうとしないの。
叫ばないよ……………。
『無一郎君、
無一郎君はもう1時間もお風呂に入ってたんだよ。
ちょっとくらい譲って?』
そう上目遣いで御願いしてみても、無一郎君はうんともすんとも言わない。
いつもならこれで退いてくれるのに………。
『ふろふき大根作ってあげるよ?』
でもさっき食べたもんね、ふろふき大根…。
『え、えと…、ん〜と……………、』
どうしようかとむんむん考えていると、
無一郎「考え事してるのは○○じゃない?
僕ふろふき大根であがったけど。」
私の背後で溜息を吐く無一郎君が。
『………………………嘘?!?!』
無一郎「もの凄い遅延だったね。」
そう言ってくふ、と堪えきれなかったのであろう笑いを吐き出した無一郎君は、満足したように自室へと戻っていった。
………ていうか、いつ……????
そんなに私必死になって考えてたつもりはなかったんだけど………。
え、まだ風呂に居る…あれ??!!!!
つまり……これは………
無一郎君の幽霊が出たってこと?!?!?!
確かに喋らなかったもんな……、湯船につかってたから下半身も見えなかったし……。
無一郎君幽霊説は、とても辻褄があっていて。
『本当に幽霊…????』
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作者名：つっきい。 | 作成日時：2023年5月4日 12時
