花屋の店主は実は公安警察 5

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｢A｣



｢Aってば！！｣



佐藤｢目を開けて寝てんの！？A！！！｣

大声で我に返る。
2月になった今日私はオフの美和子さんと丸一日出掛けていた。

A｢ご、ごめん…｣

佐藤｢さっきから心ここに在らずって感じ…何かあったの？｣

色々ありましたよ美和子さん。
今年入って？年末？いやいや冬から色んなことが起きすぎているから疲れてるのかも。

佐藤｢さては松田くん？｣

A｢…それもある｣

佐藤｢今巷で噂の2人だからねー｣

美和子さんはそう言いながらサンドイッチを食べている。
そういう美和子さんも松田さんのことどうなったんだろう。

佐藤｢今のAの頭ん中答えてあげようか！｣

｢私と松田くんのこと心配したんでしょ！｣

ギクリ。

A｢さすが刑事さん鋭い｣

佐藤｢もうとっくに吹っ切れてるわよ！この鈍感さんは置いといて、ビクともしないから｣

｢だからあんな松田くん見た時、上司として1発カツ入れられたんだから｣

平手打ちの事だ。めちゃくちゃ痛そうだったって噂を聞いている。

A｢あまりにも鈍感でごめんなさい｣

佐藤｢鈍感のオリンピックがあったらAは文句なしの金メダルよ｣

うう…胸が痛いです。

佐藤｢で、どうなの？意識してみてさ｣

｢ひっつく気はないわけ？｣

A｢ないわけじゃないけど…｣

鈍感の次は奥手？あなたも大変ね、とからかわれた。
実は……。

佐藤｢もう1人好意を寄せている男の人がいるだって！？｣

｢2人もいて気付かなかったの？！どういう神経してるのよ！｣


あの日の夜…
一度しか言わないからよく聞いて欲しいと言われ、仕事の話かと身構えていたら急に目の前で膝まづき、手を握られ愛の言葉を囁かれたのだ。



佐藤｢なるほどねぇ笑｣

｢松田くんももう1人の男の人も、Aのせいで約7年間も片想いを拗らせていた…と｣

カメラに納めたいほどの呆れ顔をされた。
でも私は反論したい。とっくに吹っ切れたと言う美和子さんにも片想いを拗らせている男の人が居ることを！！

A｢あんまり馬鹿にしないでよ…そっちに関しては似た者同士でしょう？｣

佐藤｢全然｣

｢どうするの？松田くんにするか、別の男にするか｣

A｢そんな急に言われても…困るよ｣

どっちかを選ぶなんて…。
恋愛経験ゼロなのが丸見えだ。

佐藤｢まあ、急いでないのならゆっくり考えたら？｣

｢それくらい待てる人達でしょ｣

会計を済ませて買い物の続きするわよ！と手を引かれた。

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