花屋の店主は実は公安警察 5

194 ページ44

一定で流れる無機質な音。
施設ごとドカンとさせるようだ。

コナン｢大変だ！｣

A｢ケータイ借りてもいい？｣

コナン｢え？うん！｣

私はコナン君からケータイを借りると降谷さんの番号を打ち込む。
今どき番号を覚えている人は珍しいなと覗き込んでくるコナン君。

＜降谷｢どうした？｣＞

A｢マルバクです…拘束済ですがやられました｣

＜降谷｢子供たちは無事かい？｣＞

A｢確認が出来てません、スマホを置いているので…351(スコッチ)が向かっているはずです｣

＜降谷｢番号…誰か近くにいるのか？｣＞

A｢ええ、小さな探偵さんがいます｣

不思議そうに見上げる彼を見てまた連絡します！と切った。
案の定警察の人？と聞かれたから爆弾処理が先だよ！と回避した。時計を見るとあと15分をきった。

コナン｢おねえさん！？｣

A｢大丈夫だよ、君は子供たちの様子を見に行って欲しい｣

｢爆弾は私がなんとかするから！｣

とは言ったものの、大変複雑な配線をしていて私には時間内に終えられる自信がない。
かといって松田さんや萩原さんに電話をしたとしても2人は普通に仕事中。

A｢これで間に合わなかったら格好悪いね｣

後ろを向くと拘束しきれなかった手先たちが私に迫ってくる。最悪な状況。

諸伏｢…ここまで追い詰められてるなら、急かしてよ｣

A｢……スコッチ！｣

私がコードネームで呼んだのをすぐに察してくれて拳銃を構えた。

諸伏｢さすがのキミでも解体しながらのお相手は厳しいだろ？｣

A｢殺さないで捕まえて｣

諸伏｢了解｣

諸伏さんは拳銃を持ち替えると格闘術に切り替えた。

諸伏｢背中は任せて｣

残り10分と刻む配線だらけの爆弾に私は集中して向き合った。
焦らずに1本1本切っていく。
途中、彼の呻く声が聞こえたので振り返ると集中！！と怒られてしまった。

A｢久しぶりですよね？なんだかんだ2人で仕事するの｣

諸伏｢すぐ誰かさんが1人で行っちゃうからね｣

A｢ふふ、すみません｣

諸伏さんが手下を拘束し終えて私の近くに来た。
残りあと3分。あまりよろしくはない。

諸伏｢あと2分したら逃げよう、命が先だ｣

A｢あともう少しなんです｣

｢日本にとっても組織にとってもこの施設は残さなきゃ｣

赤と青と黒の線が残っている。おそらくそれぞれ正解と不正解、ダミーとなっている。

A｢配線を見ても分からないんです｣

｢……諸伏さんは好きな色はどれですか？｣

195→←193

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す