花屋の店主は実は公安警察 5

180 ページ30

姉妹は目をまん丸にした。
組織は今や有名な犯罪テロ集団で現在も世界のあらゆる諜報機関が潜入を試みるが命を落としてしまうらしい。

ユイ｢…そこの幹部？｣

A｢大したことないよ…気に入られてただけだし｣

ベルモット以外は知らない人ばかりだし。60年も行方眩ませてることになっているし、大したことない。

A｢それよりも私はあと3人に会わないと…会って過去に戻りたい｣

カナ｢参列しないの？｣

A｢きっと松田さんは行ってこいって言うはずだから｣

今日はしっかり休みましょう！
そう言って無理やり電気を消した。
私がこの時代の人でも大切な人たちは過去にいる。
むちゃくちゃな話だけど何とかして戻りたい。
戻ってこんなバラバラで寂しい未来を変えなければ…。





翌朝。
美和子さんたちはすんなり送り出してくれた。

A｢また連絡します｣

佐藤｢昨夜、松田君が夢に出てきたのよねぇ｣

｢Aの自由にさせてやれよって｣

高木｢湿っぽい別れは嫌いなんだろう｣

佐藤｢それもだけど、きっと帰れるって信じてるのかもね｣

見えなくなるまで見送ってくれた2人。
美和子さんたちが居なかったら間違いなく路頭に迷っていた。

カナ｢どこ行くの？｣

A｢諸伏さんを探すわ｣

彼の故郷の長野県にひっそりと暮らしていると高木さんに教えてもらった。
降谷さんの居場所を知っている可能性があるのなら間違いなく彼しかいない。

道中休憩をしながら長野県に入った。
スマホから大量の着信が来ていたが全て高木さんが声を掛けて上を黙らせてくれた。
さすがノンキャリアで警視総監。人柄で上り詰めた彼の声ならば反対は無さそうだ。

A｢でも休みの理由が草むしりの手伝いって…もっと他になかったのかな｣

黙った上司もどうかと思うけど…。
せめて京都府警の者にしたら？と提案しても良かった気がする。

ユイ｢…今更だけど本当に別人ね｣

A｢何が？｣

ユイ｢Aが！まるで中身だけが違うようで変な感じよ｣

｢過去から来たのは本当ね｣

急に言い出すから私は驚いた。
いつから気がついてたの？
そしたらカナが爆笑しながら会話でバレバレだよと言った。

181→←179

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す