花屋の店主は実は公安警察 5

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ヘロヘロになりながら車から降りる姉妹。
私は運転席から様子を伺うことにした。その運転手はどこか見覚えのあるシルエットをしていたから。

A｢……｣

車の窓が降りて覗かせた顔はあの大女優にして組織の幹部。ベルモット。
なぜ姿が変わらないのかと聞く前に彼女が口を開いた。

ベルモット｢随分と久しぶりな友人がいるわね｣

ユイ｢友人？｣

話がややこしくなると思った私は車から降りてベルモットに耳打ちするために近付いた。

A｢名前は伏せて、車の中で話しましょう｣

｢ごめん！2人とも！！席外してくれないかな｣

姉妹は頷いて車から離れる。
私はベルモットを乗せて喫茶店の駐車場に止めた。

ベルモット｢驚いたわぁ、あなた生きていたのね｣

A｢それはこちらのセリフです…なんでシワひとつ増えてないのかしら｣

ベルモットは笑いながら、そのセリフあなたに返すわと言う。

A｢シャロン・ヴィンヤード、クリス・ヴィンヤード…今度はなんて名前なの？｣

ベルモット｢あなたに話す義理はないわ、ゼクト…｣

｢急に音信不通になったと思ったら、バーボンとスコッチに殺されただのFBIに捕らえられただの様々な噂を聞いたけど｣

まさか生きていたなんてね。とベルモットは自分のことは教えてくれなかったけど、組織の60年は教えて貰えた。
ほとんどの幹部は寿命を迎え、ベルモットを除く幹部は総入れ替えした。

ベルモット｢残った数名は生きてて、組織の裏方としているわ…まあ息してるだけね｣

例の薬APTX4869は完成したらしく組織の大きな収入源となっている。
標的に与えている間に若返る作用を知った組織は新たに科学者を雇い完成させた。

A｢あなたが若いのはその薬のせいなのね｣

ベルモット｢ゼクトもそうでしょう？｣

何言ってんの？と言う表情で見つめられて改めて私の存在は極めて異質な状態というのを自覚した。

ベルモットや萩原さん達からすると私は老婆でないといけはい存在で、千陽姉妹からすると同じ27歳でなければならない。

A｢そうね、やりたい事がたくさんあるから｣

誤魔化した後にベルモットから新しい連絡先を貰った。

ベルモット｢組織は私がトップも同然。気が向いたら連絡して顔を出してちょうだい、歓迎するわ｣





千陽姉妹と合流して松田さん探しを再開しようとした。

ユイ｢ねえ、Aって大女優ヴィンヤードさんと知り合いなの？｣

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