花屋の店主は実は公安警察4 (ページ10)

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ピピピピピ

松田さんのスマホが鳴る。

松田｢出るくらい良いだろ｣

駄目です！

A｢もしもし｣

松田｢お前！！｣

電話の向こうの人は大変驚いているに違いない。松田さんにかけたら女が出てくるんだから。

A｢松田陣平は体調不良で明日病院に連れて行きますので連絡は萩原研二にしてください｣

すぐに切った。

松田｢おー怖｣

A｢ほら早く寝てください！私も寝るので｣

時計はとっくに3時を指していた。
突っ伏して先程寝てたから身体がバキバキ。まだソファーの方がマシね。

松田｢どこ行くんだよ｣

引き止められる。振り返ると松田さんはベッドの隅に身体をずらしてこっちに来いと言った。

A｢添い寝…？うちそんなサービスしてませんけど｣

松田｢襲いやしねぇよ｣

すると照れくさそうに頬を書きながら、

松田｢変な夢を見てよ…その、傍に居て…くれ｣

｢Aがこの世界に存在しない夢、俺しか知らない｣

｢写真からも消えて、次第に忘れていく夢｣

だから傍に居てくれると安心できる、駄目か？
確かに好きな人がわけも分からず居なくなるなんてそんな辛いことは無い。

A｢特別ですよ？｣

松田｢すまねぇ｣

抱きつくことも無く、ただただ横で寝るだけ。
疲れてた私は気が付くと眠りに落ちていた。

松田side

ワガママに応えてくれて横で寝るA。
寝付けない替りに寝顔を見られるのはラッキー。
どんなにアプローチしても気が付かない鈍感。
もう6年か？7年か？それだけ経ってもまだ気付いて貰えないだなんて重症だと思う。

松田｢俺、Aのこと全然知らねぇよ｣

俺なりにAのこと調べたが、手掛かり何もなし。きっと零たちも調べているはず。

松田｢告白して彼氏になったら教えてくれるか？｣

彼女の髪に触れながら返ってくることはない問をする。
よく周りからなんで告白しないのか聞かれる。
本庁では有名なネタになってる。

松田｢前も考えたな…｣

告白してYESでもNOでも今の関係が崩れる気がして怖い。
何もしていないからAはAのままでいるし、6人仲良く出来ている。
それを失うくらいなら…と思ってしまう。

A｢食べれませんー…｣

幸せな夢見てそうだな。

松田｢俺はいつでもお前の味方にいるから｣

｢居なくなったりしないでくれ｣

俺も眠った。