花屋の店主は実は公安警察4 (ページ3)

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日苗side

くしゃみが止まらない。
誰かが絶対に噂をしている。

ジン｢何をボケっとしている｣

｢お前の予定を聞いているんだぞ？｣

ジンが目の前の椅子に腰掛けながらウイスキーを飲んでいる。今私はジンと資金集めの予定の打ち合わせをしている最中。

A｢ごめんなさい、誰かが噂してる気がして｣

ジン｢気がするだけか笑｣

年明け直ぐにトロピカルランドの社長からお金を回収するらしい。

A｢さすがジン。そんな短いフィルムで1億準備させるなんて｣

中身は決して見ていないけれど社長にとっては今後の運営に支障が出る大切な物なんだろうな。
行動はジン、ウォッカ、私の3人。

A｢私少し変装してもいいかしら？｣

ジン｢何故だ？｣

A｢あの辺周辺は私の昔の活動拠点だったから、もし出会っちゃったら嫌だからよ｣

ジン｢勝手にしろ｣

世間は驚くほど狭い。こういう時に限って絶対に誰かと出会うのがオチだ。
そして彼の手元の資料をチラ見する。

ジン｢ああ、これはまだ試作段階の毒薬の資料だ｣

へぇ、と言いながら見せてもらう。
開発者はシェリー。研究者とか。
APTX4869と言う名称で服用したら必ず死ぬらしい。

A｢銃より確実ってことね｣

こんな存在したらダメなやつじゃん。
シェリーも知らない名前ね。

ジン｢なんだシェリーが気になるのか？｣

A｢こんな恐ろしいものを作ろうとしてるんだもの、気になって当然よ…女の人でしょう？｣

ジンが今度会わせてやるよと言った。
解散して車に乗る。1月の前半に決行するらしいから私は今月残り数日の予定を早く済ませることにした。

A｢クリスマス…なんとかこの日は店にいないといけないから｣

明日の降谷さんとの打ち合わせ、公安の定例会内容を風見さんか千陽に聞かないと…。

花屋に向かう通り道にケーキ屋さんを見つける。
ここの甘さをとことん控えたバームクーヘンがとても美味しい。

？？｢日苗さん！｣

A｢高木刑事！｣

偶然に高木刑事と遭遇する。
ケーキ屋に1人で何してるんだろう。

A｢ケーキ好きなんですか？｣

高木｢ちょっと人にあげようと思ってね…｣

A｢佐藤刑事？｣

高木｢違うよ…佐藤さんは松田さんだよ｣

……？？

ん？？

A｢松田さんなの？｣

どうやら気を遣って今まで耳に入らなかっただけで実は美和子さんは松田さんのことが好きというのは有名な話らしい。