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時間はあっという間に過ぎて、12月真ん中。
滅多に入れないスマホの通知機能が特別な日が近付いて来たよと知らせる。

A「明日みんなと出かけるんだっけ」

特に延期にするとか話してないし行くのかな。
降谷さんとはあれから話してないし、諸伏さんは喋れないし、私はまだ完治してないし。

カランカラン。

花屋の扉が開く。

A「諸伏さん」

手をヒラヒラさせてお店にやって来た彼は胸ポケットからペンとメモ帳を出して文字を書き出した。

諸伏『急に来てごめん、今日の夕方から行きたい所があるんだけどみんなより先に出発しない?』

やっぱり予定はなくなってなかった。
私は準備しますね!と花屋に諸伏さんを残して2階に上がる。
どこに行くのか秘密らしいからスカートはやめておこう。
普段から忙しい日々を過ごしているから荷造りはあっという間に終わった。

A「お待たせしました!」

ニコニコで迎えてくれる諸伏さん。
どこに行くんですか?と聞くと秘密だよ、と口元に人差し指を近付けて目を細めた。

A「諸伏さんの行きたい所ってどんな所でしょう」

声が出ないからかラジオが小さい音で流れている。
数日間の間に適応した諸伏さんは不便そうだけどミステリアスな雰囲気を漂わせて、なんと言うか色気?色気を感じる。

諸伏『ごめんね、会話弾まなくて』

信号待ちしている時にペンを走らせて紙を見せてくる。

A「諸伏さん…」

私は彼の頬を摘んだ。
目をぱちくりさせるのを見て吹き出しそうなのを堪えて、

A「マイナス発言禁止、謝るのも禁止!いいです?」

彼は摘まれたままこくりと頷いた。
車で2時間くらい走ったと思う。外はすっかり真夜中で街から少し外れた公園に連れてこられた。
車内で温かいお茶を飲みながらしばらく筆談していると
諸伏さんは寒いからと大判のマフラーを私に掛けて突然外に引っ張り出した。

A「こんな公園あったんだ…」

5年くらい住んでいるけどまだ知らない場所があるんだなと思った。彼が高台を指差して登ってみると私たちが住んでいる街が綺麗に光っていた。空には満天の星。
柵まで駆け寄って見蕩れていると、後ろからの視線に気が付く。

諸伏「た……ん」

A「諸伏さん、声…」

まだ本調子じゃない掠れた声がゆっくりと言葉を並べていく。




たんじょうび、おめでとうA。

あなたが 好きです。

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kne.hrknt(プロフ) - のらねこさん» コメントが遅くなりました!ありがとうございます🙂少しでも楽しんでいただけると嬉しいです!! (5月14日 21時) (レス) id: d39f522ad8 (このIDを非表示/違反報告)
のらねこ(プロフ) - ヒロ推しとしては、嬉しすぎます😭 (2023年5月5日 22時) (レス) id: cf3f9452bd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:kne.hrknt(ハル) | 作成日時:2023年5月4日 15時

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