お互いに、独り占め。 ページ10
❤️
｢おはよーございます！｣
重｢おう、おはよ｣
｢あれ、まだしげだけや｣
重｢ちょっと早くついたんよね〜｣
｢めずらし！｣
なら、今だけだいちゃん独り占めしよ〜
なんて楽屋入りしたのは俺らの姫。星宮Aちゃん。
俺の座ってたソファの横にちょこんと座ってなんやにこにこして嬉しそう。
今日は機嫌がいいらしい。
｢あんなあんな、今日な、めっちゃいいことあってん｣
重｢ええこと？｣
｢おん！後でみんな来たら話すな？｣
重｢ふ、そんなら楽しみにしとるわ｣
｢絶対みんな喜んでくれると思うねん〜｣
重｢それで機嫌ええのな？｣
｢え、そんなにわかりやすい？｣
重｢おん、さっきから鼻歌歌っとるで｣
｢ほんま？無意識こわw｣
それでもそんなに嬉しいことだったんか、鼻歌は歌い続けとるAちゃん。
エイトさんの『無責任ヒーロー』から俺らの『ええじゃないか』に曲が変わっただけやで。
そんなにいいことやったんやなぁ。
なんやろ、映画とかドラマとか決まったんかな？
まぁなんにせよ、俺らの姫さんが嬉しそうにしとる姿見てるだけで、俺らメンズは嬉しくてしゃーない。
逆に元気ないとみんな元気ないしな。
俺らには、Aちゃんの存在がそれほど大きくて、大切で。
いつも救われてるんやで。
なんて思いながら横を見たら、さっきまでルンルンだったお姫様はウトウトしとって。
子供か。5歳児か。笑
重｢Aちゃん？眠いん？｣
｢んー...少し、｣
重｢膝枕、したろか？｣
｢んー、ふふ、じゃあお借りしよかな〜｣
重｢少しは遠慮せぇ、｣
｢ふふ、はじめから膝枕してもらうつもりやったもーん｣
こてん、と俺の膝に頭を乗せてモゾモゾと動いて自分の落ち着く位置に動いてから、安心したようにスースー寝息を立て始めたAちゃん。
重｢毎日おつかれ、ゆっくり休んでな｣
頭を撫でると、寝てるはずなのにふわんと微笑む姿がたまらなく可愛ええ。
あー、このままもう少し、誰も来んかったらええのにな。
なんて思いながら俺の上着をAちゃんにかけてやって、とりあえず、写真だけ撮らせてもろた。
今だけは、俺が独り占め。
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作者名：maoka. | 作成日時：2022年7月4日 9時
