17.YOU ページ18
｢A？｣
｢んー？｣
｢……また、ちょっと熱、ない？｣
朝、先に目覚めた准一がベッドの中で私のオデコに触れていた
｢……んー、ちょっとだけダルい気がするけど……
平気。｣
身体を起こそうとすると、
｢もうちょい寝てなよ｣
また横にされる
2人で桜を見てから、約2ヶ月。
このところ、微熱が続く。
………彼には言ってはいないけど
他にも、身体に違和感を覚えてる
突然の目眩だったり
その周期でもないのに、血が混じっていたり……
………もしかしたら………
そんな予感が、確信になるのが怖くて
病院へは行けていない
……行くのなら、たぶん早く行かないといけないそんなことも解ってる
でも……
｢病院、行った？｣
体温計を持ってきた彼が私にそう問いかける
｢……ただの風邪だろうから……｣
体温計を脇の下に入れながら返事をした
｢ただの風邪だって侮って、なんか大きな病気だったらどうするの？｣
………大きな、病気……
｢あはは！ビビらせないでよ 笑｣
わざと大袈裟に笑って見せた私を
｢ビビらせるつもりはないけど……
Aになんかあったら……俺……｣
心配そうに見つめる准一の瞳に
息が詰まりそうになる
｢……心配性だね 笑｣
｢笑うなよ。……ほんと、ちゃんと行ってきて。｣
真面目なトーンで言われて
笑えなくなる……
｢……ん。わかった。｣
｢……一緒に行こか？｣
｢何言ってんの。子どもじゃないんだから。｣
｢…………｣
ピピピピ…
鳴り出した体温計
私が見るよりも早く准一が体温計を奪っていく
｢……37.7℃……また、微熱か。
ほんとに、他に気になるとこないの？
頭が痛いとか、お腹が痛いとか。｣
｢……うん。ないよ。｣
嘘をついた。
｢…………｣
その嘘を見透かそうとするように、私のことをジッと見つめる准一に
｢このくらいなら、ほんと平気だから。
ほら、準備しなくていいの？
鈴木さん、迎えに来るよ？｣
身体を起こして、彼の肩をトントン、と叩いた
｢……あー、うん。……ほんと、ちゃんと行ってよ。｣
｢わかったってば。今日か、明日にでも行ってくるよ｣
｢…………｣
何か言いたげにしながらも、寝室を出ていった。
そんな彼を見送って
｢……はぁ。｣
大きなため息を吐き出して、
ベッドに転がって天を仰いだ。
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花那(プロフ) - Lucy-ruuさん» お読み頂きありがとうございました！Lucy-ruuさんのお辛い経験に寄り添えるようなお話であったのなら、このお話を描くことが出来てよかったです✨こちらこそ、ありがとうございました✨ (2023年1月16日 7時) (
レス) id: 6e09a5c586 (このIDを非表示/違反報告)
Lucy-ruu(プロフ) - いっきに読ませて頂きました。岡田准一さんが大好きで興味本意で読んだお話しだったんですが、めちゃくちゃ泣きました。私も実際大切な友人を病気で亡くしました。友人とまた出会えたような不思議な感じがしました。素敵なお話しありがとうございました。 (2023年1月15日 21時) (レス) @page45 id: fa68ae75cb (このIDを非表示/違反報告)
花那(プロフ) - ひささん» お付き合い頂き、ありがとうございました！泣かせてしまってごめんなさい💦でも泣いてくれてありがとうございます😂 (2022年5月14日 9時) (レス) id: 6e09a5c586 (このIDを非表示/違反報告)
ひさ(プロフ) - 仕事の休憩中に泣いてしまいました💦悲しいストーリーなのに引き込まれて…次が待ち遠しくて仕方なかったです。花那さんが描いた岡田くんの優しさがとてもあたたかかった！いつも素敵なお話を読ませていただき、ありがとうございます！ (2022年5月14日 0時) (レス) @page45 id: d7d462c614 (このIDを非表示/違反報告)
花那(プロフ) - 西鶴さん» お付き合い頂きありがとうございました！そして、いつも感想ありがとうございます💛一番迷った部分。素敵と言って頂けてホッとしました！新作もコツコツ進めています。固まったらまたあげていこうと思っています。 (2022年5月13日 17時) (レス) id: 6e09a5c586 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：花那 | 作成日時：2022年4月21日 10時
