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2.YOU ページ2

*YOU




「電話しろよ」




「いいんだってば。」




部屋に戻ってきてもショウがしつこく何度もそう言ってくる




「俺が、話してやるから。とにかく電話だけはしろよ」



「………しない。」




「A」




「見たでしょ?……あの人、ショウが言ってた通り、岡田准一だよ。

やっぱり、どう考えたっておかしいでしょ?

私なんかがあの人の隣にいたら。」




「おかしくないよ」




「おかしいよ」




「………本気なんだろ?お前」




「……そんなわけ、ないじゃん。」



はぁ、とタメ息をついたショウ



「お前は、充分イイコだよ。人を思いやれる優しい子だよ。

料理だって出来るし、裁縫も得意だろ?

いつ嫁に出したって俺は、全然恥ずかしくない。」




「何言ってんの? 笑」




「笑い事じゃなくて、マジだから。

だから、お前はもうちょっと自分に自信持てよ。」




「………」




「お前は、お前だよ。」




「……そうだよ、私は私だよ。

こんな私じゃ……」




「何に引っ掛かってんの?

キャバ嬢だから?」




「…………」




「じゃあ、やめればいいだろ。」




「……そんな、簡単じゃない…」




「いつまでも、やってられる仕事じゃない。それこそ、ちょうどよかったじゃん。やめろよ」




「………やめたって……私のしてきたことは消えない」




「…………」





「……こんな、誰とでも寝てきた女……」




「後悔してんの?」




「…………」





「適当に生きてきた自分を後悔してんのか。」




「……………」




「たしかに過去は変えられないけど、この先は変えられるだろ?

これからは、そうしなきゃいいんだから。」





「………それだけじゃないよ」




「ん?」





「……また病気、なったら……」




「そんなの気にしてたら、いつまでも立ち止まったままだぞ?

ちゃんと、検診いってんだから。大丈夫だよ。

ガンは、治らない病気じゃなくなったんだから。」




「…………でも……」




「大丈夫だ。大丈夫。お兄ちゃんがついてるだろ?

ほら、電話してみ?」




「………しない。」




「だぁ!もう!頑固だな!お前は!!」




………大丈夫……




ショウの言葉は、私に安心感を与えたけど




……そんな勇気なんか、ないし



そんな資格すらもないよ、私には。

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花那(プロフ) - ひささん» いつもありがとうございます(^^)ノロノロ更新でごめんなさい😅どんどん切ない展開になっていきますが、幸せも組み込んでいけたらなと思ってがんばってます💛暫しノロノロにお付き合いお願いします😅 (2022年4月9日 19時) (レス) id: 6e09a5c586 (このIDを非表示/違反報告)
ひさ(プロフ) - 幸せな展開の中でも、どこか切なさが漂うストーリー。早く先が読みたいような読みたくないような…。そんな感じで更新をお待ちしております😌 (2022年4月9日 16時) (レス) @page24 id: d7d462c614 (このIDを非表示/違反報告)
花那(プロフ) - 西鶴さん» いつもありがとうございます(*^^*) (2022年4月4日 11時) (レス) id: 6e09a5c586 (このIDを非表示/違反報告)
西鶴(プロフ) - 続編おめでとうございます❣️ (2022年4月4日 9時) (レス) @page6 id: a568701fd5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:花那 | 作成日時:2022年4月4日 8時

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