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第三巻 ページ4

しばらくすると、辺りはいつの間にか闇に包まれており、空にはチラチラと星が光っている。


提灯がポツリ、ポツリと垂れ下がる町中を悠々と歩く二人の後ろ姿を追い、紫月は俯いていた。



「今日は、兄者の薬は売れたのか?」



「まぁまぁです。」




紫月はその会話を聞き流しながらひっそりと二人の後ろに着いて歩く。



__弟...様。



先程、浅葱の言っていた言葉が違和感と共に頭を絶えず巡っていた。



そんな事を考えている内に、かなり大きな宿屋にようやく辿り着いた。


宿屋へと足を踏み入れると、客数も多いのか屋敷の中はとても明るく人々の話し声で賑わっていた。




「恐らく食堂はこれから混むだろう。
先に食べに行きましょう。」




薬売りはそう提案した。
我々もそれに賛成し、食堂へ向かった。


____



食堂では数人がまばらでいるだけで特に混んではいなかった。


席に座り、三人は運ばれてきた料理を食べるが紫月は浅葱の事が心に引っかかり、手が進まない。


その暗い表情を見た薬売りは紫月を心配して声をかけた。



「紫月さん、先程からどうしたんです?顔色が悪いですよ。」


「...いえ、なんでもございません。」



間を置いた後食事を進める。
そして静かに、諦めたように考え、俯いた。



___今は...受け入れるしかないのだろうか。

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作者名:赤青ほととぎす/瑪瑙 x他1人 | 作者ホームページ:http  
作成日時:2018年11月27日 22時

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