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「ハイネ先生……遅いですわねぇ……」



視界に映ったのは上等なドレスを纏った上品な老婦人の姿。



何かを探すようにきょろきょろと視線を動かす彼女を前に、衛兵二人とハイネが即座に膝をつく。



「王太妃殿下!」


(王太妃殿下!?)



周囲に釣られて条件反射で膝をつき、シリルはぎょっとした。



そっと視線を上げると、王太妃はハイネを見つけ、ほっとしたような笑みを浮かべていた。



「あら、いらしていたのね。ハイネ先生!」



ハイネの両手を取り、ニコニコと笑う。



「参りましょ。私がご案内しますわ」


(おぉ……)



どうやら、予想以上に歓待されているらしい。



流されるがままここまで来てしまったが、もしやとんでもないところに足を踏み入れてしまった気がする。



「ご厚意痛み入ります。……シリルさん」



唖然とするシリルをハイネが促す。



はっと我に返って立ち上がれば、背後から恐々とした声が聞こえてきた。



「ハ……ハイネ先生って……ま、まさか……」



衛兵二人の震え声。



嘘だまさか、そんな嘘であってくれと、そんな思いがひしひしと伝わってくる声にハイネが立ち止まる。



「申し遅れました。私は本日より王室教師に着任しました、ハイネ・ヴィトゲンシュタイン……」



穏やかな声で身の凍るような冷気を漂わせ、ハイネがくるりと振り返る。



「ちなみに、私はこれでもれっきとした成人男性です」


「あ、私はその助手ですー」



冷え冷えとした空気を少しでも和らげてみようかと無駄な努力をしてみたが、やはり無駄な努力でしかなかった。



「たっ、大変失礼致しましたああッ!!」



真っ青な顔で絶叫する二人の声をバックコーラスに、シリルたちは王宮へと足を踏み入れた。

*→←助手と前途多難な始まり



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まぼぷりん。 - 22話、「気位エベレスト王子」じゃないですか?「エレベスト」であってます? (2021年2月1日 17時) (レス) id: c10f97d942 (このIDを非表示/違反報告)
瑪瑙(プロフ) - サラさん» ドッキリをやる予定はありませんが、どこかで暴露はしたいなと考えています。今のところですが。ご感想ありがとうございました。 (2019年1月8日 18時) (レス) id: 2ce5584cfa (このIDを非表示/違反報告)
サラ - 瑪瑙さん» 別にドッキリとかそういうのじゃなくてマジ本気なやつ言ってます。 (2019年1月8日 11時) (レス) id: 48991e4e6a (このIDを非表示/違反報告)
瑪瑙(プロフ) - サラさん» その辺りも追々考えていこうと思っています。良い反応をしてくれそうですよね(^^) (2019年1月8日 9時) (レス) id: 2ce5584cfa (このIDを非表示/違反報告)
サラ - 瑪瑙さん» でも、女性だったって言ったら、王子たちの反応が楽しみで仕方ありません。 (2019年1月8日 0時) (レス) id: 48991e4e6a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:瑪瑙 | 作者ホームページ:http  
作成日時:2018年11月1日 18時

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