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「いやーごめんね、急に。センセーたちの話したら、みんな見てみたいってうるさくてさ」



とんだ予想外な事態に見舞われたものの、部屋に通された二人はリヒトと向かい合って座った。


ついでに美人たちもくっついてくる。



「このお嬢さん方は一体……」


「俺の友達」


完全に子ども扱いをされつつ、平然と問うハイネにリヒトが即答する。



(…………友達?)



え、ハーレムの間違いではないの? とうっかり思ってしまったシリルは多分、悪くない。



だが、その返答は彼女たちには不満だったらしい。



「え〜っ、友達? ただの?」


「そんなさみしいこと言うんなら、街に帰っちゃおうかしらっ」



リヒトの隣にぴったりとくっついていた二人がそんなことを言う。



途端、リヒトが甘えたように彼女らへもたれかかった。



「友達って言ってもすごく特別に決まってるじゃないか。行かないで……もっと俺を可愛がってよ……」



とろけそうな声だった。無駄な色気を醸す表情も相まって破壊力は凄まじい。



案の定、カワイイー! と悲鳴を上げて抱きつく二人の腕の中で満面の笑みを浮かべるリヒトの姿に、シリルは遠い目をした。



友達の定義とは何ぞや。というか、やはりハーレムの間違いでは?



手元のファイルを見返し、納得しながら呆れているハイネにこそっと耳打ちする。



「……もしかして、『街へ行くことが多く』って言うのは……」


「女性と遊ぶためでしょうかね」



それでいいのか王子様。というか貴方はまだ14歳。



末恐ろしい事実に言葉を失っていれば、このままでは埒が明かないと考えたらしいハイネが周囲に頼む。



「リヒト王子と面談したいので、少々席をはずして頂いてよろしいですか?」


「ハイネちゃん冷たい〜っ」


「ごめん。俺からも頼むよ」



リヒトの応援を受け、渋々といったように彼女たちが退出する。



これまでの二人とは違って協力的な姿に目を丸くしながら、シリルたちは居住まいを正した。

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まぼぷりん。 - 22話、「気位エベレスト王子」じゃないですか?「エレベスト」であってます? (2021年2月1日 17時) (レス) id: c10f97d942 (このIDを非表示/違反報告)
瑪瑙(プロフ) - サラさん» ドッキリをやる予定はありませんが、どこかで暴露はしたいなと考えています。今のところですが。ご感想ありがとうございました。 (2019年1月8日 18時) (レス) id: 2ce5584cfa (このIDを非表示/違反報告)
サラ - 瑪瑙さん» 別にドッキリとかそういうのじゃなくてマジ本気なやつ言ってます。 (2019年1月8日 11時) (レス) id: 48991e4e6a (このIDを非表示/違反報告)
瑪瑙(プロフ) - サラさん» その辺りも追々考えていこうと思っています。良い反応をしてくれそうですよね(^^) (2019年1月8日 9時) (レス) id: 2ce5584cfa (このIDを非表示/違反報告)
サラ - 瑪瑙さん» でも、女性だったって言ったら、王子たちの反応が楽しみで仕方ありません。 (2019年1月8日 0時) (レス) id: 48991e4e6a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:瑪瑙 | 作者ホームページ:http  
作成日時:2018年11月1日 18時

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