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だが、つらつらと述べられるハイネの添削は淀みなく、シリルには理解できないが、ブルーノには的確な指摘だったらしい。
ハイネの手から取り戻した自分の論文を見つめ、目から鱗が落ちたような顔をする。
そして何を思ったのか、突然論文を机の上に叩き付けたと思ったら、ガシッとハイネの手を力強く握り、ひざまずき、叫んだ。
「師匠と呼ばせてください……！」
「あの、私家庭教師ですが」
「いやそこじゃない」
どう考えても突っ込むポイントはそこではない。絶対に違う。
「し、失礼しました。つい嬉しくて興奮してしまって……」
ブルーノがはっとしたような顔でハイネの手を離し、眼鏡を押し上げる。
そして、キリッとした顔で告げた。
「師匠は間違いなく、自分の人生の中で最も尊敬すべき御方……自分の完全敗北を認めます。今後とも是非ご指導のほど、よろしくお願い致します！ 師匠！！」
「………………」
見事な直角姿勢でハイネに頭を下げるブルーノを見つめ、シリルは遠い目をした。もう驚愕を通り越して笑える。いや笑えん。
あまりに予想外な変わり身に理解が追いつかないが、とにかく、ブルーノはハイネを受け入れたらしい。
まるで主を見つけた犬のように瞳を輝かせ、尻尾があれば千切れんばかりに振っているだろうブルーノを見つめ、シリルはこの王子がハイネを試した理由がわかった気がした。
おそらく、"優秀過ぎる"がゆえ、彼は教師を信用できなかったのだろう。
ここまでの一連の流れを見れば、大抵の教師は彼にとって必要どころか有益な存在にすらなれなかったはずだ。
最早優秀を通り越した彼にとって、ハイネは『先生』と呼べる唯一の存在なのかもしれない。
(それにしては、面倒なことになってる気がしなくもないけど……)
ぽけっ、と膝の上で頬杖をつき、ハイネとブルーノのやり取りを見学する。参戦だけは遠慮願いたい。
「お気持ちは嬉しいのですが、師匠は恥ずかしいので先生と呼んでいただければ……王室教師なので……」
「し、失礼しました……そうですよね……わかりました。では、師匠と書いて"先生"とお呼びする方向で」
「師匠の方向から離れてください」
(なんだろうこの頭の悪そうな会話)
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まぼぷりん。 - 22話、「気位エベレスト王子」じゃないですか？「エレベスト」であってます？ (2021年2月1日 17時) (
レス) id: c10f97d942 (このIDを非表示/違反報告)
瑪瑙(プロフ) - サラさん» ドッキリをやる予定はありませんが、どこかで暴露はしたいなと考えています。今のところですが。ご感想ありがとうございました。 (2019年1月8日 18時) (レス) id: 2ce5584cfa (このIDを非表示/違反報告)
サラ - 瑪瑙さん» 別にドッキリとかそういうのじゃなくてマジ本気なやつ言ってます。 (2019年1月8日 11時) (レス) id: 48991e4e6a (このIDを非表示/違反報告)
瑪瑙(プロフ) - サラさん» その辺りも追々考えていこうと思っています。良い反応をしてくれそうですよね(^^) (2019年1月8日 9時) (レス) id: 2ce5584cfa (このIDを非表示/違反報告)
サラ - 瑪瑙さん» でも、女性だったって言ったら、王子たちの反応が楽しみで仕方ありません。 (2019年1月8日 0時) (レス) id: 48991e4e6a (このIDを非表示/違反報告)
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