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さて、どうしたものか、とレオンハルトとハイネの姿を交互に見つめれば、ふと近くの机の下に本が落ちているのを見つけた。



近付いて覗き込めば、『日記』の文字が見える。



「これ、落ちてますよ」


「あ"っ、バ、バカ!」



拾い上げたところでレオンハルトが叫んだ。



そろそろこの膠着状態が面倒になり、シリルは笑顔のまま、ぱらりと日記をめくった。悲鳴が聞こえるが構うものか。



そして紙面に視線を落とし、目に入ってきた文言に沈黙する。



『今日の反省。


メランジェを運んでくれた侍従にまた素直に礼が言えなかった。


僕はどうしようもない駄目人間だ。クズだ……クズ人間だ。


こんな僕に生きる価値なんかないんだ……』



「…………」



なんというネガティブ日記。



思わず一緒に覗き込んでいたハイネと顔を見合わせた。



そのまま目だけで会話をし、視線を紙面に戻す。



『今日の反省。


ブルーノ兄様にお借りした本を汚してしまった。死にたい。』


(あ、この気持ちはわかる……って、そうじゃなくて)



ネガティブ日記ならぬ反省日記。



何だか、ものすごく見てはいけないものを見てしまった気がする。



「レオンハルト王子はこういう日記を書いておられるのですね」


「知らなかったとは言え、黒歴史を発掘してしまい申し訳ありません……」



何とも言えない感じで言えば、レオンハルトが目に見えて慌てる。



「く、黒歴史とか言うなっ! あ、あの……っ、違……それは……そうッ! それは弟の日記だ! 多分弟のリヒトが僕の部屋に忘れてここに……!」


「ここに『レオンハルト』と記載が」



それはもう、言い逃れができない感じで堂々と。



というか、日記に名前を書く時点で律儀と言うか何と言うか。


顔を覆って真っ赤になるレオンハルトに何とも言えない視線を向けていれば、シリルの手から日記を奪ったハイネがてくてくと窓際に移動する。



「か、返せ! 返せ僕のプライベート……!」


「いいえ。テストから逃げる悪い生徒にはお仕置きです」



王子を引きずって歩きながら、とうとうハイネが窓際でネガティブ日記を音読し始めた。



……相変わらず、容赦のないお人だ。

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まぼぷりん。 - 22話、「気位エベレスト王子」じゃないですか?「エレベスト」であってます? (2021年2月1日 17時) (レス) id: c10f97d942 (このIDを非表示/違反報告)
瑪瑙(プロフ) - サラさん» ドッキリをやる予定はありませんが、どこかで暴露はしたいなと考えています。今のところですが。ご感想ありがとうございました。 (2019年1月8日 18時) (レス) id: 2ce5584cfa (このIDを非表示/違反報告)
サラ - 瑪瑙さん» 別にドッキリとかそういうのじゃなくてマジ本気なやつ言ってます。 (2019年1月8日 11時) (レス) id: 48991e4e6a (このIDを非表示/違反報告)
瑪瑙(プロフ) - サラさん» その辺りも追々考えていこうと思っています。良い反応をしてくれそうですよね(^^) (2019年1月8日 9時) (レス) id: 2ce5584cfa (このIDを非表示/違反報告)
サラ - 瑪瑙さん» でも、女性だったって言ったら、王子たちの反応が楽しみで仕方ありません。 (2019年1月8日 0時) (レス) id: 48991e4e6a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:瑪瑙 | 作者ホームページ:http  
作成日時:2018年11月1日 18時

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