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ルシファーはそれに間をおいて「ああ、そうだね」と頷いてみせる。ユーリが首をかしげれば、ノアールは低い声でユーリに教えてくれた。
「昔、とある龍が一夜で国をまるごと滅ぼしたことがあったんだ」
「……ま、さか」
「……ああ、その国を滅ぼした龍っていうのがルチルだ」
ユーリはその言葉に大きく目を見開いた。嫌な汗が背を伝い、心臓がじくじくと痛む。
ルチルが……国を、人を殺した？ いつも自分に優しくしてくれた彼が到底そんなことをしたと信じられないとユーリは視線を泳がせた。でも、仕方ないことなのかもしれない。ルチルは、彼は自分の大切な人を何の罪もないのにも関わらず殺されたんだ。しかし、胸が痛むのは変わりない。
ユーリの異変に気付いたのかノアールが、ユーリの背中をさする。
「無理しなくてもいいからな」
「ごめん、なさい」
「謝らなくていい。驚いたんだよな。お前の知ってるルチルじゃなくて」
ノアールのその言葉にユーリは大きく首を縦に振る。声を出せば、今すぐにでも泣いてしまいそうだった。証拠にユーリの視界は、涙で滲んでいた。
「まあ、その後はノアールくんもご存知の通り、当時同盟国であったブロンが彼を1000年の禁固刑に処した。まあ、彼自身罪の重さも分かってたからか反抗することはなかったけどねえ」
ルシファーはそう言うとテーブルに寄りかかって、紅茶を口に運ぶ。
テーブルには先ほど、妖精が運んできたクッキーが小さなお皿に並んでいた。普通のバタークッキーからチョコがはさまれたもの、ジャムサンドクッキーや様々だ。
普段はそれらにすぐ手をつけるユーリだが、あいにく今はそんなことに気を遣ってる余裕はなかった。ノアールはユーリの様子伺っていたようだが、しばらくして彼女の頭を撫でた。優しい手つきで、壊れ物を扱うようにそっと撫でてくれる。そのせいか、ユーリの涙腺はあっけもなく崩れた。ボロボロと花弁が瞳から零れていく。
私、なんで泣いてるんだろう？ ユーリはふとそんなことを思った。別にルチルが嫌になったわけでも、彼が今までそのことを話してくれなかったことに対して怒ったわけでもない。ただ、ただひどくむなしくて悲しくなったのだ。
ノアールはそれに「お前は優しいよ。ありがとう。ルチルを助けてくれて」そういって、ユーリをそっと抱きしめた。知らないはずなのに懐かしい匂いにユーリは目をきつく結んだ。
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自由気ままに生きる難聴の音霧想(プロフ) - 五十鈴さん» お久しぶりです＞＜五十鈴さんのお力もあり無事完結しました。ありがとうございます。そういっていただき光栄です！いえいえ、こちらも最後までご愛読いただき本当にありがとうございました！また機会がございましたらよろしくお願いします。 (2017年5月17日 21時) (
レス) id: 6c125bcd13 (このIDを非表示/違反報告)
五十鈴(プロフ) - ううおおあああコメが遅れたスミマセン完結おめでとうございますぅぅぅ←発狂中お疲れ様でした！もう途中で何度泣いたことか…!!最終的に完結しちゃった事に号泣しましたけど！( ；∀；)素晴らしい作品を有り難う御座いました！(ルチルとルシファーとベル大好きです。) (2017年5月17日 0時) (レス) id: 72f0cf2fb8 (このIDを非表示/違反報告)
難聴の音霧想(プロフ) - チェシャ猫さん» いえいえ！ 要望くださってありがとうございます！ ルシファー君はもともと美しいものに執着してる設定の悪魔ですので、あの台詞を言っているとき「ルシファー君っぽいなあ」と思って書いてました(笑) (2017年4月30日 21時) (レス) id: 6c125bcd13 (このIDを非表示/違反報告)
チェシャ猫(プロフ) - うおあぁぁぁぁぁ！！！ベルくんとルシファーの絡みありがとうございます！！応えてくださって嬉しい限りです！最後のルシファーの台詞かっこ良すぎです！惚れます！本当にありがとうございました！！！ (2017年4月30日 21時) (レス) id: 785830d201 (このIDを非表示/違反報告)
音霧想@悪魔崇拝してる人（会話はできます）(プロフ) - チェシャ猫さん» コメントありがとうございます。私も一年近く書いてきたこの作品が完結したので、寂しい気持ちです（苦笑）この作品を毎日書くことが日課だったので。ベリアル君を気に入っていただき嬉しいです。ベルくんとルーちゃんですね。番外編のほうで二人の絡み書いてみます！ (2017年4月26日 23時) (レス) id: 6c125bcd13 (このIDを非表示/違反報告)
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