【外伝】アフタヌーンティー ページ43
さて、唐突だがユーリ・レヴィは人の頼みと言うのを断るのが苦手である。現在までこの性格で困ったことはなかったのだが、今まさにその性格が仇になったのだ。
ユーリは、今日足りなくなった茶葉を買出しに街に出ていた。大した用事でもなかったし、すぐに帰れると思っていたのでルチルには店番を頼み小銭をポケットにつっこんで出たのが、ああ、なんでこういう日に限ってルチルと一緒に来なかったんだろう。などと、ユーリは項垂れる。しかし、そんな彼女の心情を知るはずもない男はユーリの手首を掴んだ。
「あ、あの！ えっと」
「いいじゃん、いいじゃん。お茶くらいどう？」
「そうそう、おごるからさ」
いままで、こういう経験もなく生きてきたユーリは対応の仕方もまともに分からずうぅと唸った。ついでに、さすがについていったら危険な目にあうというのは、そこそこに鈍いユーリも察知済みである。
こういうの、小説の中だけとかにしてほしいなあとどうでもいいことを考えつつ、ユーリは後ろに下がった。と、背中が何かにあたり驚いて顔を上げる。ここには壁はなかったはずだ。しかし、その前に後ろに勢いよく引っ張られユーリはぐらりと体勢を崩し、後ろによたるがそれもすぐに支えられた。
「感心しないな」
見知った声が聞こえてユーリは目を見開いた。金色の長髪が揺れ、新緑の緑は不機嫌そうに細められた。緑龍ドランである。
男たちはドランの無言の圧力にわずかに押されていたようだが、すぐに舌打ちをするとうるせえと声を荒げた。
「てめえには関係ないだろう！」
「まあ、傍から見ればそうかもしれないが、一応知った顔なんだ。それに、この子は知った人間にあんな怯えた顔はしない。言いたいことは、わかるか？ 要は関係が存在してない奴らに俺はつべこべ言われる筋合いはないということだ」
そういって、鋭い視線を送ったドランに男たちはわずかにたじろいだ。無理もない。騎士団長という地位にもなった軍人だ。彼の威圧といったらないだろう。しかし、ユーリはドランの紳士さは知っているので、大して怖くはない。なので、そっと彼の背後に隠れた。ここは大人しくドランに任せるほうがいいということはユーリにもなんとなく分かったのだ。
男たちはユーリとドランを見比べた後、糞が！ と鼻を鳴らしその場を逃げるように立ち去った。
「ユーリさん、大丈夫か？」
「あ、はい。ありがとうございます！」
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自由気ままに生きる難聴の音霧想(プロフ) - 五十鈴さん» お久しぶりです＞＜五十鈴さんのお力もあり無事完結しました。ありがとうございます。そういっていただき光栄です！いえいえ、こちらも最後までご愛読いただき本当にありがとうございました！また機会がございましたらよろしくお願いします。 (2017年5月17日 21時) (
レス) id: 6c125bcd13 (このIDを非表示/違反報告)
五十鈴(プロフ) - ううおおあああコメが遅れたスミマセン完結おめでとうございますぅぅぅ←発狂中お疲れ様でした！もう途中で何度泣いたことか…!!最終的に完結しちゃった事に号泣しましたけど！( ；∀；)素晴らしい作品を有り難う御座いました！(ルチルとルシファーとベル大好きです。) (2017年5月17日 0時) (レス) id: 72f0cf2fb8 (このIDを非表示/違反報告)
難聴の音霧想(プロフ) - チェシャ猫さん» いえいえ！ 要望くださってありがとうございます！ ルシファー君はもともと美しいものに執着してる設定の悪魔ですので、あの台詞を言っているとき「ルシファー君っぽいなあ」と思って書いてました(笑) (2017年4月30日 21時) (レス) id: 6c125bcd13 (このIDを非表示/違反報告)
チェシャ猫(プロフ) - うおあぁぁぁぁぁ！！！ベルくんとルシファーの絡みありがとうございます！！応えてくださって嬉しい限りです！最後のルシファーの台詞かっこ良すぎです！惚れます！本当にありがとうございました！！！ (2017年4月30日 21時) (レス) id: 785830d201 (このIDを非表示/違反報告)
音霧想@悪魔崇拝してる人（会話はできます）(プロフ) - チェシャ猫さん» コメントありがとうございます。私も一年近く書いてきたこの作品が完結したので、寂しい気持ちです（苦笑）この作品を毎日書くことが日課だったので。ベリアル君を気に入っていただき嬉しいです。ベルくんとルーちゃんですね。番外編のほうで二人の絡み書いてみます！ (2017年4月26日 23時) (レス) id: 6c125bcd13 (このIDを非表示/違反報告)
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