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「今の痛み止めの薬の量増やすと飲むのも大変になるから、今のより強い痛み止めにしようと思ったんだが……他の薬と合性が悪いな」
「だったら、量増やしていいよ」
「ん」
ノアールはそう言うとスラスラと手帳に文字を書き込んでいく。丁寧な文字だが、ぎっちりと詰められていて読む気が起きない。
アンバーは溜息をついて、窓の外を見た。窓の外のバルコニーの手すりには、小鳥たちが愛らしいさえずりをかわしながらじゃれあっている。
「……本当は今日、街の子達に会いに行く予定だったんだけど」
「その調子じゃ無理そうだな」
「あはは、多分ね」
苦笑いを浮かべるアンバーに、手帳を閉じたノアールはあきれた視線を向けた。
「国民のことを大切にするのはいいが、自分の体も少しは気にかけたらどうだ」
「……それもそうなんだけど、この国の民たちはこんな僕のことを慕ってくれてる。ボロボロで薬がなければ動くことも出来ず、自分の足で歩くこともできなければ、死ぬことも出来ないこんな王をね」
アンバーはそう言うと顔を伏せて、瞼をかすかに震わせる。ノアールはその様子をただ黙って見守っていた。
しかし、アンバーはすぐに顔を上げて「だからせめて、国民の近くにいたい」と笑って見せる。それにノアールはとても呆れた顔をしたが、何も言わない。相変わらず優しいなあとアンバーはしみじみ思う。
「……そういえば、さっきから騒がしいな」
「え？ 小鳥？」
「違う……位置から考えて門番だな」
「なんでまた」
「さあな」
アンバーが視線を送ると、ノアールは顔をしかめて溜息をついた。
†
例の一番鋭い従者の目をうまく潜り抜けたアンバーは、ノアールに車椅子を押してもらいながら門へと向かう。すると、ノアールの言うように門番が何かと言い争っているようだった。
アンバーはそれに首をかしげ、ノアールは今日一番大きな溜息をつくと声を張り上げる。
「何の騒ぎだ」
「ノアール様……龍王様！？」
「あ、龍王様だ！」
こちらを向いて目を丸めた兵の間から、ひょこりと顔を出したのは小さな子供たちだった。
それにノアールは目を大きく見開き、アンバーは「おや」とほほえんだ。子供たちは、兵が目をそらした瞬間にわっと近づき、アンバーの周りを囲む。
「龍王様！ 龍王様！ お体、大丈夫ですか？」
「あの、あの！ お花摘んできたのです」
「ふふ、ありがとう」
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自由気ままに生きる難聴の音霧想(プロフ) - 五十鈴さん» お久しぶりです＞＜五十鈴さんのお力もあり無事完結しました。ありがとうございます。そういっていただき光栄です！いえいえ、こちらも最後までご愛読いただき本当にありがとうございました！また機会がございましたらよろしくお願いします。 (2017年5月17日 21時) (
レス) id: 6c125bcd13 (このIDを非表示/違反報告)
五十鈴(プロフ) - ううおおあああコメが遅れたスミマセン完結おめでとうございますぅぅぅ←発狂中お疲れ様でした！もう途中で何度泣いたことか…!!最終的に完結しちゃった事に号泣しましたけど！( ；∀；)素晴らしい作品を有り難う御座いました！(ルチルとルシファーとベル大好きです。) (2017年5月17日 0時) (レス) id: 72f0cf2fb8 (このIDを非表示/違反報告)
難聴の音霧想(プロフ) - チェシャ猫さん» いえいえ！ 要望くださってありがとうございます！ ルシファー君はもともと美しいものに執着してる設定の悪魔ですので、あの台詞を言っているとき「ルシファー君っぽいなあ」と思って書いてました(笑) (2017年4月30日 21時) (レス) id: 6c125bcd13 (このIDを非表示/違反報告)
チェシャ猫(プロフ) - うおあぁぁぁぁぁ！！！ベルくんとルシファーの絡みありがとうございます！！応えてくださって嬉しい限りです！最後のルシファーの台詞かっこ良すぎです！惚れます！本当にありがとうございました！！！ (2017年4月30日 21時) (レス) id: 785830d201 (このIDを非表示/違反報告)
音霧想@悪魔崇拝してる人（会話はできます）(プロフ) - チェシャ猫さん» コメントありがとうございます。私も一年近く書いてきたこの作品が完結したので、寂しい気持ちです（苦笑）この作品を毎日書くことが日課だったので。ベリアル君を気に入っていただき嬉しいです。ベルくんとルーちゃんですね。番外編のほうで二人の絡み書いてみます！ (2017年4月26日 23時) (レス) id: 6c125bcd13 (このIDを非表示/違反報告)
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