【オリジナル】花売り少女と時止めさんⅣ【名前変換可能】 (ページ29)

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ああ、私は彼らに何をしてあげられたのだろう。してあげられるのだろう。
　自分たちの危険を負ってまで、おとりを買ってくれたベルとロイド。ぐっと泣き出しそうなのを必死に堪える。

「泣くのはいいけど、今めそめそ泣いてどうにかなるならいいねぇ」

ユーリが目を向ければ上弦の金色がこちらを向いていた。

「あいにく、僕は情が薄いらしくて『かわいそうだねえ』くらいしか言えないけど？」
「……いりません。そんな同情」
「だよねぇ。だったら背筋ちゃんと伸ばしたら？死に顔が泣いてる顔なんていったら周りの人間は『かわいそう、かわいそう』しか言わないから」

ユーリは口を結んだ。遠まわしで「めそめそしてないで、しゃんとしろ」ということらしい。

　というか、この人何者なんだろう。ユーリは内心ふと思った。ベルが“様”なんて呼ぶからよっぽどの存在なんだろうけど、接触が全くもってなかったユーリにはさっぱりである。
　可能性として高いのはベルと同種で、かつ高い位を持つものということになる。悪魔なんだこの人……白いけど。
　そこでユーリはあれ、と体を強張らせた。白い悪魔……その単語をどこかで聞いたことがある。それは、ええと……『With respect to the ruler(ルーラーに関して)』の本を読んだときに出てきた名前だ。ああ、もうこれは……きっと、そうなのだろう。こんな奇想天外……ほぼ天変地異とも言っても過言でもないできごとが立て続けに起こればすぐに受け入れられるし、納得することが出来た。もう、何もかも夢でしたといわれても「はい、そうでしたか」の二言で済みそうな気がする。
　けれど、夢でも嘘でもないことはユーリもよく知っていた。

　 †

バレンタインですね。
まあバレンタインって偉人の命日なんですけど。そんなことは私には関係なし。
ということで、テンプレをお借りし(一部変更)ギリギリまでふんふんと描いていたイラストです。

なんとなんとこちらの画像、andoroidoの待ちうけ画面サイズです。iPhonは分かりません。ただandoroidoによってもサイズ違うようなので、使いたい人はアプリダウンロードしなきゃだめかもです。
画像をダウンロードはここクリック
使う人がいるかは知りませんが、まあ……日ごろのお礼ということで(震え声)
ルチルくんがなかなか小説に出てこない(震え声)