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すると金髪の青年はすぅと目を細め、耳に心地よいテノールを奏でた。
「ひとつお伺いしたいことがある。こちらに、銀色の髪を持った金と赤の目を持った男は来なかったか」
「なんのことですか？ 存じ上げません。我が家には、重い病気を持った母がいるんです。お引取りください」
ユーリはさすがに強く言い過ぎただろうかと顔を引きつらせる。しかし金髪の青年は、それに気づいてるのか、気づいていないのか金がかかった瞼を閉じ、そうかと小さく頷いた。それにユーリはホッと肩を撫で下ろす。
だけど、なんだろう。何か、すごく……違和感がある。普通こんなすんなり、納得してくれるのだろうか。タラタラと嫌な汗が、背中に伝うのを覚えながら思わず青年から目を逸らした。
しかし金髪の青年は何か仲間と話し合うと、間もなくユーリに向き直った。
「……夜分、遅くにすまない。助かった。俺の名前は王宮騎士団長のドランだ。また、世話になるかも知れんのでな。そのときは頼む」
そう言うとすぐにドランは、仲間を引き連れ店から出て行った。あまりにもあっさりとした彼らにユーリはあんぐり口を開けた。もっと、こう……強く言ってくるかと思っていたのだがと、ユーリは頭を抱える。
しかしハッと我に返り慌てて店の外に出た。丁度、ドランは黒い馬にまたがろうとしている。彼はユーリに気づいたのか緑の目をユーリに向ける。
「なんだ」
「あ、あの……なんか、きつく言ってしまった気がして……申し訳ありませんでした」
そう言ってユーリは頭を下げた。ユーリは素直にそう思ったのだ。それに、一言二言しか言葉を交わしてないとは言え、ドランが悪い人間にはどうしても思えなかった。
しばらくの静寂。耐え切れなくなったユーリが目線だけドランに向ければ、彼は緑色の目を丸めていた。かと思えばふっと口角をあげた。
「頭を上げろ。なに、大丈夫だ。こんな時間だからな。苛立つのも無理もない。俺たちも非常識だったな。すまない。ご母堂のことや、店のことでも大変だと思うが頑張ってくれ」
※ご母堂…他人の母を敬って言う言い方
「い、いえ……そんな」
すいません、母親いません。嘘ついてごめんなさい。ユーリは申し訳なさと、後悔で顔がひくついてるのが分かった。せめて、一人暮らしですと言えば良かった。架空の母親を作ってどうする。そんなことに頭を抱えながら、ユーリは失礼すると微かに笑ったドランに頭を下げた。
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音霧想@悪魔崇拝してる人（会話はできます）(プロフ) - 五十鈴さん» コメントありがとうございます。お気に召していただきありがたい限りです。今後もゆるい作者ですがよろしくお願いします。 (2016年11月27日 15時) (
レス) id: 6c125bcd13 (このIDを非表示/違反報告)
五十鈴(プロフ) - 私のハートにこのお話がどストライクしました(真顔)めっちゃ面白かったです！(*^-^*) (2016年11月26日 23時) (レス) id: 72f0cf2fb8 (このIDを非表示/違反報告)
音霧想(プロフ) - チョロ猫さん» コメントありがとうございますm(_ _)m現在、テスト間際ということで更新停止させていただいていますが、これからも楽しんでいただけたらなと思います(*ﾟ▽ﾟ*)ゆるゆるな作者ですが何卒よろしくお願いします。 (2016年6月27日 8時) (レス) id: 7d8ba4b3f5 (このIDを非表示/違反報告)
チョロ猫 - この小説の雰囲気すごく好きです。話の内容も、優しくて読んでいてとても楽しいです！更新楽しみにしています！！がんばってください！ (2016年6月27日 1時) (レス) id: d16235083c (このIDを非表示/違反報告)
音霧想@ホラーゲーム製作中(プロフ) - ミカノンさん» ありがとうございます! そう言っていただき光栄です。 (2016年6月12日 10時) (レス) id: cc2ec66050 (このIDを非表示/違反報告)
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