+ユーリちゃん動かしてみた ページ25
椅子からずりおちそうなユーリをルチルは抱え、座らせた。ユーリはといえばそれが恥ずかしかったのだろう。少し頬を紅潮させて俯いた。そして上目遣いでチラチラとルチルを見る。しかし、ルチルはさして気にしてないように、腕を組む。
「え、ええと……何か御用でしょう……どうしたの？」
若干、冷めたルチルの視線が痛い。ユーリはまだ慣れないのかと言う視線のように思えた。それに耐えきれなくなったユーリは思わず視線を下にずらした。
彼は、敬語をとらなければ返事をしてくれない。恐らく、彼は普通に生活するために必要なことを教えようとしてくれているのだとユーリは思う。しかし、仕方ないといえば仕方ない。彼女はそうして接してきた人間は片手で数え切れるほどしかいない。
とはいえ彼の今の反応これは早急に敬語を取るように努力した方がいいのは明確だった。頑張ろうとユーリは心の中でひそかに決意する。
「……頼みごとがあってな」
そんな中、ルチルはどこか気まずそうに視線を泳がせ、そう呟いた。
それに、ユーリは思わず目を丸める。
ルチルは、基本他人に頼るということが嫌いらしく、あまりユーリに頼ってきたことはない。いや、あまりというより今のいままで皆無だったと思う。
その証拠に彼がこの家が来た頃、中を案内をしようとしたら手間をかけるのは申し訳ないから口答で大丈夫だと、断られたことがあった。結局、どう説明すればいいのか分からなくて主語も動詞も順番をめちゃくちゃにしながら、説明してしまった。「北から何番目」だの「書庫の隣」だの。普通、場所も方向も知らない人間がそんな説明されたってちんぷんかんぷんだろう。しかし、そんな説明をルチルは一回聞いただけで間取りを覚えた。よくあんな説明で分かったなと、ユーリが一人感激したのはここだけの話である。
ユーリはまだ真新しい記憶を懐かしいと思いながら、視線を再びルチルに戻した。
「頼みごとです……頼みごと？ 私に？」
「ああ」
ルチルはユーリの言葉にそう静かに肯定した。
†
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音霧想@悪魔崇拝してる人（会話はできます）(プロフ) - 五十鈴さん» コメントありがとうございます。お気に召していただきありがたい限りです。今後もゆるい作者ですがよろしくお願いします。 (2016年11月27日 15時) (
レス) id: 6c125bcd13 (このIDを非表示/違反報告)
五十鈴(プロフ) - 私のハートにこのお話がどストライクしました(真顔)めっちゃ面白かったです！(*^-^*) (2016年11月26日 23時) (レス) id: 72f0cf2fb8 (このIDを非表示/違反報告)
音霧想(プロフ) - チョロ猫さん» コメントありがとうございますm(_ _)m現在、テスト間際ということで更新停止させていただいていますが、これからも楽しんでいただけたらなと思います(*ﾟ▽ﾟ*)ゆるゆるな作者ですが何卒よろしくお願いします。 (2016年6月27日 8時) (レス) id: 7d8ba4b3f5 (このIDを非表示/違反報告)
チョロ猫 - この小説の雰囲気すごく好きです。話の内容も、優しくて読んでいてとても楽しいです！更新楽しみにしています！！がんばってください！ (2016年6月27日 1時) (レス) id: d16235083c (このIDを非表示/違反報告)
音霧想@ホラーゲーム製作中(プロフ) - ミカノンさん» ありがとうございます! そう言っていただき光栄です。 (2016年6月12日 10時) (レス) id: cc2ec66050 (このIDを非表示/違反報告)
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