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気まずそうに、ユーリは思わず目を逸らし俯く。一方、青年はといえば、鬼の形相でユーリをじっと見つめていた。
「……ひとまず、名前だけ教えろ。俺はルチルだ」
「ユ、ユーリです。ユーリ・レヴィ」
「ユーリ、それじゃあ聞く。お前は俺たち、ルーラーについてどれだけ知ってる」
どれだけ知ってるかと聞かれれば、正直本で読んだだけの知識しかない。
ルーラーは龍人である、本人の意志で時を止める力が操れる、鱗が体の一部に存在してる……思い返せばそれだけである。そう青年……ルチルに説明すればルチルはそうかと、頷いた。
「十分だ。それじゃあ、もうひとつ聞かせてくれ。お前が読んだその書物には竜人のことをどう説明していた」
「え、ええと……確か『人に姿を変えひっそりと人間たちを見守っている』とかだった気が」
「ご名答。つまり、俺は龍だ。果たして……龍は人間に殺されるほど、なよっちい生き物か」
それにヒクリと、ユーリは頬を引きつらせた。記憶を手繰れば、あの本には
『龍は人間に手を出そうとはしなかった』と、いう記述はあったが『弱くて人間に手を出せなかった』という記述はなかった。要約すれば、ルチルは自力でどうこうできたということだ。
思わず、ユーリはうぅと唸る。そこまで頭が回らなかった。当然といえば、当然だがあんなじっくりと読んでいて何故気づかなかったのだろうと、恥ずかしくなる。
するとそれに青年は、小さく溜息をつき壁にもたれかかると足を組んだ。
「……別に、攻めたいわけじゃないさ。ただ、他人のためにがむしゃらになりすぎじゃないかと、言いたいだけだ。気分を害したならすまない」
それにユーリは目を丸めた。
ルチルの言葉には確かに棘がある。ただ、どこか優しく温もりがあるものだ。全く、関わりのない他人にそう優しく叱れる人などそういない。当たるわけでもなく、ただユーリの行動を見て心配してくれたのだろう。他人のためにがむしゃらになってるのは彼のほうではないかと、ふとユーリは思った。
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音霧想@悪魔崇拝してる人（会話はできます）(プロフ) - 五十鈴さん» コメントありがとうございます。お気に召していただきありがたい限りです。今後もゆるい作者ですがよろしくお願いします。 (2016年11月27日 15時) (
レス) id: 6c125bcd13 (このIDを非表示/違反報告)
五十鈴(プロフ) - 私のハートにこのお話がどストライクしました(真顔)めっちゃ面白かったです！(*^-^*) (2016年11月26日 23時) (レス) id: 72f0cf2fb8 (このIDを非表示/違反報告)
音霧想(プロフ) - チョロ猫さん» コメントありがとうございますm(_ _)m現在、テスト間際ということで更新停止させていただいていますが、これからも楽しんでいただけたらなと思います(*ﾟ▽ﾟ*)ゆるゆるな作者ですが何卒よろしくお願いします。 (2016年6月27日 8時) (レス) id: 7d8ba4b3f5 (このIDを非表示/違反報告)
チョロ猫 - この小説の雰囲気すごく好きです。話の内容も、優しくて読んでいてとても楽しいです！更新楽しみにしています！！がんばってください！ (2016年6月27日 1時) (レス) id: d16235083c (このIDを非表示/違反報告)
音霧想@ホラーゲーム製作中(プロフ) - ミカノンさん» ありがとうございます! そう言っていただき光栄です。 (2016年6月12日 10時) (レス) id: cc2ec66050 (このIDを非表示/違反報告)
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