Prologue ページ2
「追え！ 追え！」
静寂の森の中、複数の足音が響き渡る。
足音の持ち主は銀の鎧に身をまとった男たちだった。その男たちの鎧には龍を剣で刺し殺すような印が押されている。それは北部の海に位置する大国Brogn(ブロン)の国旗に描かれたものと全く同じだった。王宮騎士である。
茂みの中、白銀色の髪を揺らし青年は息を殺し身を隠していた。青年の黄金と赤の瞳は鎧の王宮騎士の姿を捉え細められる。
青年のその腕と右足のふくらはぎにはできたばかりの
※銃で撃たれてできた傷。貫通銃創の場合、貫通した銃創のことを指す
微かに青年は息を漏らした。途端、銃弾が白い頬を掠める。ツゥと血が輪郭を辿った。青年はそれに目を見開く。おおかた威嚇射撃だろう。しかし、もう彼が騎士たちに見つかるのも時間の問題。それは誰の目から見ても明確だった。青年は少し下唇を噛むと目を見開き、茂みのなかから複数の足音の前に飛び出る。
その刹那、青年の両目が黄金に変わり瞳孔が細長く縮む。そのひとみはまるで蛇のよう。
それを見て間もなく王宮騎士は動きを止めた。まるでメデューサに睨まれ石と化してしまったもののように……。
青年は一瞥し目を細めると、小さな溜息をひとつつく。それは疲労、苦しみ……悲痛を含んでいるようだった。彼は口を結び、どこか寂しげな表情を浮かべると、右足を引きずりながら森の暗闇の中へと姿を消した。
†
西暦796年。Ruler(ルーラー)の完全処刑令がBrogn(ブロン)国内全体に下った。
北部の海に面したこの国は、強国として世界に名を知らしめている。過去、ブロンは全て王族の持つその武力によってこのような問題は解決してきた。前代未聞の出来事に、国民だけでなく外の国もざわついたと聞く
さてルーラーとは、目を合わせれば合わせた相手の時を永遠に止めてしまう者たちのこと。ある者は彼らのことをMedusa(メデューサ)とも呼ぶが、ルーラーはまた違うと唱える者もいる。その違いとやらは大きくみっつだそうだ。
ひとつ、メデューサは目を合わせたものを石にしてしまうがルーラーは、目を合わせたものの時を止める。つまり相手はその状態で永遠に動かなくなるのだ。ふたつ、メデューサは蛇女のことを指すが、ルーラーは龍の血を引いている者たちのことを指す。みっつ、彼らには体の一部に必ず龍のうろこが出現するという。
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音霧想@悪魔崇拝してる人（会話はできます）(プロフ) - 五十鈴さん» コメントありがとうございます。お気に召していただきありがたい限りです。今後もゆるい作者ですがよろしくお願いします。 (2016年11月27日 15時) (
レス) id: 6c125bcd13 (このIDを非表示/違反報告)
五十鈴(プロフ) - 私のハートにこのお話がどストライクしました(真顔)めっちゃ面白かったです！(*^-^*) (2016年11月26日 23時) (レス) id: 72f0cf2fb8 (このIDを非表示/違反報告)
音霧想(プロフ) - チョロ猫さん» コメントありがとうございますm(_ _)m現在、テスト間際ということで更新停止させていただいていますが、これからも楽しんでいただけたらなと思います(*ﾟ▽ﾟ*)ゆるゆるな作者ですが何卒よろしくお願いします。 (2016年6月27日 8時) (レス) id: 7d8ba4b3f5 (このIDを非表示/違反報告)
チョロ猫 - この小説の雰囲気すごく好きです。話の内容も、優しくて読んでいてとても楽しいです！更新楽しみにしています！！がんばってください！ (2016年6月27日 1時) (レス) id: d16235083c (このIDを非表示/違反報告)
音霧想@ホラーゲーム製作中(プロフ) - ミカノンさん» ありがとうございます! そう言っていただき光栄です。 (2016年6月12日 10時) (レス) id: cc2ec66050 (このIDを非表示/違反報告)
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