絆される。 (ページ10)

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愛しいきみとページ10

大橋 side

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和「A〜今日久しぶりやし、飲も？」

『んー、ちょっとだけ』

'' 酔うと記憶なくなるし、大橋くんとか…メンバーとかとしか飲めへんのよ ''

そう言っていた、というのを大ちゃんから聞いたのが約1週間前。それをいい事に、俺は今日Aを飲みに誘った。明日がオフということもあり、二つ返事で承諾してくれたA。

和「どれ飲む〜？」

『どうしよ、甘いやつがええなあ…』

メニューと睨めっこするAの横顔を思う存分に見つめる。普段なら向かい合って席に座るところを、今日は隣に座らせてもらった。

和「あ、これとかええんちゃう？」

『じゃあ、これで』

進めたのは、Aには少しだけ強いかな、というぐらいのお酒。それを進めたのも、今日は2人きりで飲みたい、と言ったのにも、全部深いわけがあって。

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『ん〜、大橋くん…』

和「どしたん？」

『もっとこっち、』

和「…んふ、わかったって。可愛ええなあ」

酔うと、随分素直な姿になるAが見たかったから。Aはこの姿になるのを見られたくなくてお酒をあまり飲まないということを、俺は知っていた。

その上でAにお酒をすすめる自分を、ずるい男やと思うけど。好きな子にこんな姿を1度でも見せられてしまえば、もうしゃーないと思う。最近忙しくて会えてなかったしちょっとぐらい得しても、ええやろ？

『おーはしくん、大好きやで』

舌っ足らずで照れたようにそう言うAに、自分の中の何かが抑えられなくなりそうになるのを感じ、慌てて視線を逸らした。ほんのり赤く染まった頬に、潤んだ瞳。俺にとっては、まさに目の毒で。

『なんでこっち向いてくれへんの、』

少し不機嫌そうな声がしたかと思えば、熱を持ったAの両手が俺の頬を包む。そのまま綺麗な顔が近づいてきて、

和「え、ちょ、A？それはあかんって！俺は嬉しいけど…！」

ぎゅっと目を瞑り、これから起こることを待つ。少しすると、どさっという音と共に膝に少しの衝撃。目を開けるとそこには、俺の膝で気持ちよさそうに眠るAがいた。

『…ずるいなあ』

この子はほんとに＿＿＿＿俺の心を狂わせる。

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