過去の話 ページ9
西畑 side
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和「なんで好きになってくれへんのぉ、?」
『やから好きやってば』
和「それはlikeの方やん...」
はっすんの好きはLoveの好き。それはもうメンバーだけでなく、A本人さえも承知していることだった。年下組のいないお酒の席になれば、はっすんのアピールは加速して。今日は酔いが回っているのか、いつもより激しいスキンシップが目に入る。
『もう、大橋くんどないしよ』
そう言って困ったように笑うAに、柄にもなく恋をしていた時期が俺にもあった。関ジュの間では'' 初恋キラー ''なんて呼ばれていた子で、それこそAぇ!groupやりとかん、なにわ男子でAに恋をしていた人は少なからず1人はいるだろう。
そんな俺らが今、Aのことを妹として可愛がるようになったのには、一つの原因があった。
和「Aのこと絶対振り向かすから、」
そう、この男'' 大橋和也 ''である。一見、ほわほわしていて抜けていると思われがちだが...いや、そうなのだけど、Aに気がありそうな男に対しては諦めるまでマウントを取りまくるという狂気ぶり。もちろん俺も、その内の1人に含まれていた。
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和「大ちゃんって、Aのこと好き?」
大「...ん?メンバーやし好きやけど」
和「ふはっ、ちゃうちゃう。女の子として」
正直この気持ちは墓場まで持っていこうとしていたぐらいで。ピンポイントで俺に聞いてくるはっすんに、違和感を覚えた。もしかして、バレてるんちゃうか?って。
大「そういうはっすんはどうなんよ?」
なんとなく否定するのは嫌だったから、質問を質問で返した。幸いにも俺の事について深く言及されることはなく。
『...大好きやで。誰よりも』
まるで俺の気持ちを見透かしたような言葉。真っ直ぐに俺を見つめる瞳には、'' 分かってんで、全部 ''と書いてあるような気がした。この頃にはもう、Aがはっすんを見る顔の微妙な変化には気付いていたし、そもそも叶える気もない恋やったから、そのまますっと諦めたっけ。
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やからまあ、そんなマウントとかは取られてないんやけど。
大「はっすん、程々にしとき」
和「大ちゃんのケチ〜」
こんな風に2人を見れるようになったのも、ある意味'' 大橋和也 ''のせいなのかもしれない。
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夜桜霞 - すごく続きが気になります!!これからも頑張ってください!! (2022年10月21日 19時) (レス) @page10 id: 3f90c514b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みずたま | 作成日時:2022年10月3日 22時