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和「それ、ほんまなん?大ちゃんさっきからなんも喋らんけど」
大「ほ、ほんまやで〜...」
笑って誤魔化すつもりなのか、大ちゃんの乾いた笑い声だけが楽屋に響く。
和「ほんで、みんなは知ってたん?」
丈くんが喋れ、と言ったように謙杜を肘でつつく。大橋くんの顔を伺いながら、小さな声で謙杜が話し出した。...まあ、伺う必要もないぐらい凄い顔なのだけど。
謙「楽屋入ってからずっとイチャイチャしとって、変やなとは思っとったけど、ちゃんと聞いたんは今、です」
和「ふーん...」
『お、大橋くん、大ちゃんは悪くないねん。私が大ちゃんのこと好きで...』
アイドルやのにこんな関係ってことに怒ってるんやろなと思い、大ちゃんにフォローを入れる。が、大ちゃんには口パクで'' アホ ''と言われてしまった。
大「もうあかん、ギブ。これドッキリやねん」
和「ドッキリ?」
『私と大ちゃんは付き合ってないです!』
その言葉に、大橋くんの顔が優しい顔に戻る。それと同時に楽屋の雰囲気もほっとしたのが分かった。
和「ドッキリなん?びっくりしたやんか〜」
おいで、と手を広げる大橋くんの元へ向かう。膝の上に乗ると、いつもの倍ぐらい頭を撫でられる。
『ちょ、なですぎ、』
和「ふふ、可愛ええから〜....ところで、このドッキリ言い出したん、誰?」
みんなの視線が一斉に謙杜に向く。またもやワントーン低くなった大橋くんの声に震える謙杜が子犬のように見える。可哀想やけど...自業自得やな。
謙「俺っす...」
和「謙杜か〜。面白いドッキリ思いつくなあ
.......もう二度とせんでな」
謙「申し訳ありませんでした」
大橋くんの不機嫌顔どころか怒っている顔を見ることができたが、私たちの心はすり減っただけだった。
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夜桜霞 - すごく続きが気になります!!これからも頑張ってください!! (2022年10月21日 19時) (レス) @page10 id: 3f90c514b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みずたま | 作成日時:2022年10月3日 22時