私の知らないあなたのこと ページ14
・
西「Aちゃんって、元カレとかいないんですか？」
『え、おらんけど...なんで？』
西「1人ぐらいおるんやないかなって」
生憎初恋を拗らせております...とは言える訳もなく、首を横に振った。拓哉は「おもんなーい」と言いながら、机に突っ伏してしまって。そりゃあ、初恋止まりの女に聞いてもおもしろくないでしょうよ...なんて思いながら、ふと頭によぎった疑問を口にする。
『拓哉に元カノおらんのは知ってるけど、好きな子は？おらへんの？』
西「え.........いや、まぁ」
やけに歯切れの悪い返事と、意味ありげな視線。...この反応、おるやつやんな？途端に、私の中の''女の子''に火がついて。久しぶりに感じたこのワクワク感...修学旅行で深夜に恋バナするときみたいな。
『だれだれ？お姉さん誰にも言わんから教えて？』
西「別にまだ好きとかそんなんやないし、」
『まだってことは気になっとるやん？！』
西「はぁ、ほんまAちゃんは...」
同級生？年下？高校の人？そう聞いても、首を横に振るばかり。教えてくれへんかあ、と前のめりになっていた姿勢を戻した時、部屋のドアが開いた。
正「...あれ、2人だけ？」
『あ、正門くん』
部屋に入って来たのは正門くんで。私と拓哉が隣に座っているのを見ると、向かいの席に腰をかけた。そんな様子を眺めていると、「あ！」と机から顔を上げた拓哉が、さっきとは打って変わって目を輝かせて話し出す。
西「正門くんは？元カノおります？」
『え、』
正門くんに、正門くんにそれ聞いちゃうん？！
自分で勝手に傷つきたくなくて、今まで触れてこなかったこと。私の知らない正門くん。聞きたくないけど、聞きたい、そんな矛盾した気持ちで正門くんを見つめれば、目が合ってしまって。
正「......どやろね」
私に向けられた笑みには、何か意味が含まれているように見えたが、それが何なのかは私には分からなかった。曖昧な答えに頭を悩ませる。
いないでほしい。いないでほしいけど、いない方がおかしい。
その日は少しだけ、拓哉を恨んだ。
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2290人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
名無し59740号(プロフ) - 「大橋くんに、愛される。」のパスワードを教えていただきたいです！ (2月11日 1時) (
レス) id: cd3c0aeb36 (このIDを非表示/違反報告)
しおり(プロフ) - 初めましてコメント失礼します！「大橋くんに、愛される。」を読みたいのですが、パスワードを教えていただけないでしょうか？よろしくお願いいたします！ (9月25日 8時) (レス) id: faee03a960 (このIDを非表示/違反報告)
のんちゃんっっっ(プロフ) - 初めましてコメント失礼しますm(_ _)m『その恋心を、自覚する。』『大橋くんに、愛される。』を読みたいのですが、パスワードを教えていただくことは可能ですか？よろしくお願いします🙏🙏 (7月26日 12時) (レス) id: 07a93329c4 (このIDを非表示/違反報告)
みずたま(プロフ) - しおんさん» ありがとうございます☺️♡ (6月21日 20時) (レス) id: 3593907927 (このIDを非表示/違反報告)
しおん(プロフ) - みずたまさんの文才最高です！ (6月20日 23時) (レス) id: 7cc3201467 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みずたま | 作成日時：2022年10月23日 21時
