抑え込んでいた ページ8
「おい救護女ァ！！」
「えっ、わ、私？」
突然怒鳴りながら爆豪さんと緑谷さんが私たちを囲む。
兄さんはいつのまに着替えたのか、ヒーローコスチュームを着ていた。
「テメェ自分の兄貴のリードくらいちゃんと持ってろ！！
舐めプ野郎がお前を助けるとか突っ走ったせいで連携崩れたわクソがッ！！」
「かっちゃんもう良いでしょそれは。
大丈夫だった？Aさん。」
「緑谷さん、爆豪さんご迷惑をおかけしました。私は大丈夫です。」
「…俺やAを守ってくれてありがとう。えっと…ヒーロー名…」
「ああ？」
「バクゴーだよね。」
「…違ぇ。」
一瞬間が空いて爆豪さんは否定する。
兄さんや緑谷さんは新しいヒーロー名を聞きたくてしょうがないみたいで質問攻めにしている。
「A！」
「お、お父さん……」
賑やかな声が一瞬で静まり返る。
私の苦手な顔がそこにあった。
「怪我はないか？」
「……平気。」
「敵に妙なことはされてないだろうな？」
「うん。」
いやに心配そうな口ぶりで、少し不信感を覚える。
「A……」
「ッ‥焦げ臭いっ！」
声を張り上げるとお父さんは歩み寄ろうとした足を止めた。
微妙な距離の中お父さんは萎びた青菜のような態度で私に言った。
「すまない…守ってやれなくて。」
「いいよ別に……おと、うさんに、守ってもらわなくても。」
そんなことを聞きたいんじゃない。
「…俺はどうしたらいい？」
「…んなこと自分で考えてよぉ！！」
人目も気にせずに叫ぶ。
抑え込んでいたぼろぼろと玉のような涙が頬を伝った。
歩み寄ろうとするならせめて、私を許して。
表玄関から入ることを、
自分の意思で進路を選ぶことを、
ヒーローにならないことを、
そんな顔しないで、私に燈矢お兄ちゃんやお母さんを重ねないで。
…‥"私"だけを見て欲しいの。
「あの、エンデヴァーさんちょっと。」
「…すぐ行こう。」
警官に呼ばれてお父さんはどこかへ行ってしまった。
後に残された私の背中を誰かがそっとさすった。
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くじら(プロフ) - めっちゃ好こです！更新頑張ってください！ (4月5日 8時) (
レス) @page30 id: 85541f6d4c (このIDを非表示/違反報告)
爪楊枝 - 読んでいて、すごく楽しいです！！ (3月29日 8時) (レス) @page30 id: ee4a2d718e (このIDを非表示/違反報告)
餅つき団子(プロフ) - アップルパイさん» ありがとうございます！感情移入して読んでくださりとても嬉しいです！亀更新ですがこれからもよろしくお願いします。 (2月17日 0時) (レス) id: 2a377f2d71 (このIDを非表示/違反報告)
餅つき団子(プロフ) - 名無し47183号さん» ありがとうございます！亀更新で本当に申し訳ありません…！これからも応援していただけると幸いです！ (2月17日 0時) (レス) id: 2a377f2d71 (このIDを非表示/違反報告)
餅つき団子(プロフ) - 錫也さん» ありがとうございます！荼毘くんと逃避行していたら今頃…… ご愛読ありがとうございます。これからもよろしくお願いします。 (2月17日 0時) (レス) id: 2a377f2d71 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：餅つき団子 | 作成日時：2023年3月7日 17時
