君想う月2 ページ5
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何度となく眠れない日を過ごした。
気付けば俺はひとりになっていた。
夜になると魘され、夢を見ると恐怖に足掻いた。
その度に彼は、翔くんは俺を落ち着かせ、救ってくれた。
眠れない日は冷たい鉄格子を挟んで背中合わせになり、少し難しい本を聞かせてくれた。
手を伸ばすと白くて細い指が包んでくれて、涙を流すとその指で拭ってくれた。
眠れない夜、いつものように背中合わせになって翔くんと体温を分かち合うと、彼がゆっくりと口を開いた。
「下の名前、なんていうの？俺、あなたの識別番号しか知らないから」
「ああ、俺はね、大野智。知るに日で智」
「そっか、智くんか。智くんは何をしたの？」
「……ある会社の社長夫妻を殺した。両親がそこで働いててね、本社がその会社から水増し請求されたって訴えて。社長夫妻の懐に入ってたのに、俺の両親のせいにされたんだ。そしたらバッシングが凄くて。耐えきれなくなった両親は自ら命を絶った。だから復讐、したの」
合わせた背中が震えた。
翔くんが泣いていた。
「翔くん…？」
「……ごめ…、智くん、辛かったよね……」
お父さん、お母さん。
こんな俺のために泣いてくれる人がいるよ。
「………ありがとう、翔くん。ありがとう…、ありがとう……」
細い鉄格子の隙間から、必死に手を伸ばして、向き合った彼の涙袋をなぞった。
伸ばされた細く白い指にくちづけると、翔くんははらはらと涙を落とした。
「翔くん見て、月が出てるよ」
「嫌だ、見たくないよ…！」
「明日は、」
「言わないで！！」
「満月、だね」
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はな(プロフ) - 歩夢さん» いつもコメントありがとうございます。前回は返せずごめんなさい。なで肩さんの夢なので何でもありにしてみました。また足を運んでくださると嬉しいです。 (2014年9月29日 12時) (
レス) id: eaa9330744 (このIDを非表示/違反報告)
歩夢(プロフ) - 翔さん可愛すぎますね...これからも頑張って下さい！ (2014年9月28日 23時) (携帯から) (レス) id: 536defc02b (このIDを非表示/違反報告)
歩夢(プロフ) - そういう話ですかそうですか.....面白いっ！ (2014年9月18日 7時) (携帯から) (レス) id: 536defc02b (このIDを非表示/違反報告)
智夏(プロフ) - かいてくださり、ありがとうございます!!もう、面白くてやばかったです!!慌てる潤くんかわいかったです。にの、早く気付いて思わず笑ってしまいました笑。これからも、頑張ってください (2014年9月6日 18時) (レス) id: 04c882c90f (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - 歩夢さん» 分かりづらくてごめんなさい！プライバシーの関係で、名前は伏せると決めているので…。ご期待に添えていたら嬉しいです。今後ともよろしくお願いします！ (2014年9月2日 11時) (レス) id: 66d9ffabb2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はな
| 作成日時：2014年8月19日 23時
