君と青春の全部を。 【花巻貴大】

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Your side


土日を挟み、It's Monday．
今、４限の英語が終わり、昼休みに入った。

みんな、バックからお弁当を取り出したり、購買へ走ったりしている。

私も、お弁当を取り出して、席に着いた。


……のは、いいんだけど、


……お昼を共に過ごす友人がいない。


まぁ……仕方ないよね。

そう思って、包みを開けようとした

「あ、一ノ瀬さん！」
ときに、私を呼ぶ声。

ついさっき、先生に当てられ、隣で聞いた声。


「昼ごはん、一緒に食べよー」
購買で買ったであろうパンを片手に持つ彼。

「……いいの？」

私がおずおずと尋ねてみると、

「いや、こっちこそ、俺の友達来るんだけど、いい？」
と、問い返される。


「ありがとう……一緒に、いいかな」
なんだか照れ臭くなって、小声で伝える。


すると

「おぅ！」
優しい笑顔で、机を寄せてくる。


そして、彼も私も席に腰を下ろしたとき、

「あ、及川くんだー！」
「クラス違って残念だよねー」

女の子たちの声が聞こえる。

私も、彼女らの視線の方に目をやると、


「あ、マッキー！って、誰その子！？」

騒がしい１人の男の子。
と、２人。

その３人は、私と花巻くんの方へ近づいてきた。


「昨日話したじゃん、転校生の子」
「あーこの子が！？名前は？」

リア充とかいうオーラが、溢れ出ている彼。


「一ノ瀬A、です」
私は少し警戒しながら、名前を告げた。

「そうなんだ！俺は及川徹、よろしくね！」
さっきよりも、前かがみになってあいさつされる。


……なんだろう。

……この人、苦手。


私は無意識のうちに、花巻くんの方へ体を寄せた。

それに気づいてくれた花巻くんが、
「ちょっと及川！一ノ瀬さん怖がってる！」

そう言うと、及川くんの隣にいた少し怖そうな人が、
「クソ川は引っ込んでろ！！」
と、蹴りを入れた。


なんか、まだ、全然慣れなくて。


けれど、なんだろう。


不思議。

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