君と青春の全部を。 【花巻貴大】

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Your side


２学期が始まって、二週間ほどが経った。

９月は、まだ夏。
汗を気にしながら登校し、教室のひんやりとして空気に包まれる。

本鈴が鳴る少し前に先生が入ってきて、みんなも席に着く。


学級委員の号令で、SHRが始まった。

出席を取った後、先生は言った。
「今日のHRは、文化祭についてです」

先生がそう言うと、みんなの表情が明るくなった。

そんな中、先生は声をかけ、１度あいさつをする。


そして、またすぐ楽しそうな声が上がる。

「クラスで何するー？」
「うちら、文化部発表に向けて頑張ってんだよねー」
「えー！行く行く！絶対行く！」


みんな浮ついた様子で授業を受け、昼休みが過ぎた。
そして、HRをむかえた。


実行委員とは、なかなか決まらないものではないのか？
たくさんの人が立候補して、くじを引いて、すぐに決まった。

「続いて、クラスの……」
実行委員が言い終える前に、教室のあちこちから声が上がった。

「俺！屋台系がいい！」
「えーでも、お化け屋敷とかも捨てがたくない？」


……


やる気に満ち溢れている。

意見が絶えることはない、活発な話し合い活動になった。



そして、私たちのクラスは、縁日をすることになった。
１度、休憩をはさんで、係を決めることに。

私は、彼の席に向かった。

彼の周りには、男子が数人いたけれど、そのうち１人が私に気付くと、どこかへ行った。

「花巻くん」
「おう、Aどうした？」

「えっと、花巻くん、なんの係するかなーって」

そう言うと、

「俺？俺は、装飾かなー、人数多くて楽しいし」

すぐに答えてくれる。

そして、
「Aは？」
と、聞き返される。

私は、
「花巻くんと同じの」

自分で言ったのに、なんだか恥ずかしくて、すぐに席に戻った。

ちょっとだけ見えた、花巻くんの赤い耳が


幻じゃなかったらいいな。


———

長いことサボっててすみませんしたっ

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