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Takahiro side
鮮やかな色と胸に響き渡る音で、花火は終わった。
少したってから、スマホの明かりをつける。、
すると、笑顔のAがいた。
「すっごいドキドキした」
俺も、ドキドキした。
でも、それは、花火のせいなのか。
Aが隣にいるからなのか。
わかっていたけれど、気づかないふりをした。
Aも同じであってほしいと思った。
「帰ろっか」
俺がそう言うと、頷くA。
立ち上がる時に触れた手は、さっきと比にならないくらい熱かった。
……
帰りの電車は空いていて、席に座ることができた。
「疲れたよな、大丈夫?」
「ううん、楽しかった」
Aの笑顔は当たり前だけど、場所を選ばない。
俺はまた、不意打ちを食らった。
空いているとは言っても、人がいないわけではない。
お互い何を話していいのかわからず、無言の時間が過ぎた。
そうしているうちに、降りる駅に着いた。
2人でホームを抜けた。
「送るよ」
俺がそう言うとAは、
「え、いや、そんな申し訳ない」
と、遠慮する。
でも俺が、
「暗い中女の子を1人で帰らせるとか、できねぇのよ」
そう言うと、
「ありがとう」
と、言った。
理由はもちろん嘘じゃないけれど、Aともう少しいたいからというのもなくはない。
「うち、こっちで10分くらいのとこ」
Aが指を指した方向へ、並んで歩く。
俺もAも、見慣れた道だからか、少し会話が増える。
すると、少し進んだところでAが止まる。
「どした?」
俺が振り返ると下を向いたA。
「えっと……」
言葉を少し濁したあと、
「……手、繋いでほしい」
暗いから、顔の赤さはお互い見えていなかったと思う。
「……ん」
俺がAの手を取ると、少しだけ、握り返してくれた。
その手を、守りたいと思った。
他の誰かじゃなくて、俺が。
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黒瀬(プロフ) - みおせさん» 貴大くんいいですよねぇ。めちゃんこ忙しすぎて、なっかなか更新できんのですが、頑張ります!ありがとうございます。 (2023年3月25日 15時) (レス) id: 59e036be23 (このIDを非表示/違反報告)
みおせ(プロフ) - 初めましてコメント失礼します!マッキーメインの話を探していたのでとっても嬉しいです!先のお話も楽しみにしています! (2023年3月24日 4時) (レス) id: 50719844cf (このIDを非表示/違反報告)
ひーな(プロフ) - 黒瀬さん» あら、ご苦労なこった。作品も応援してるね! (2022年12月2日 19時) (レス) id: e6a88033a9 (このIDを非表示/違反報告)
黒瀬(プロフ) - ひーなさん» あざす!次は英検やわ笑笑 (2022年12月2日 19時) (レス) id: d01723e5ca (このIDを非表示/違反報告)
ひーな(プロフ) - 花巻………!好き…。勉強頑張れぃ (2022年12月1日 18時) (レス) id: e6a88033a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒瀬 | 作成日時:2022年10月8日 17時