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Takahiro side
「ねぇ、みんな何組だった？」
「１」「３」「５」
「俺は６組〜みんなバラバラだね〜」
バレー部の主将であるそいつの問いかけに、俺たちは淡々と数字だけを述べた。
今日から高３。
今日から〇年生！
なんてフレーズは、小４の頃くらいにはもうマンネリ化している。
「また難しくなんのかー」
‟何が‟とは言わなかったが、意味は伝わっていたようで、「それな」という、これまた淡々とした声が聞こえてくる。
「じゃあまたあとでな、松川、花巻」
「おー」
素っ気なく答えるけれど、岩泉とクラス、棟まで離れるのは、寂しい気もする。
及川は、まぁ。
しばらく歩くと、「じゃあな」松川のそういう声も聞こえてくる。
俺はまた、何も気にする素振りを見せないように、「おー」と答えた。
それから、２０歩、いや、１８歩くらいか？
進んだところに、３−３。
俺は特に、期待に胸を膨らませることもなく、いたって普通にドアを開けた。
「よぉ、花巻」
「おーっす」
去年もクラスが同じだった奴らと、軽く会話をしながら黒板を見る。
１番後ろの列……ラッキ。
そいつらとひと通りの会話を終えてから、自分の席へ向かう。
そして、席につき、周りを見渡す。
左から２列目、右から５列目、の、１番後ろ。
始業初日から運を使ったかもな、と思う。
ふと窓の方を見ると、柔らかい風が吹き、優しく体を包む。
それが夢のようで、目を閉じようとしたとき、担任が入ってきた。
立ち話をしていた奴らも、慌てて席へ着く。
……
でも、俺の左は空いたまま。
始業早々遅刻？
そう思った直後、自己紹介をしていた担任が言った。
「転校生、紹介するな〜」
開けられたドアの奥から姿を現したのは、１人の女子。
「一ノ瀬さんです。自己紹介してもらってもいい？」
担任の声掛けに小さく頷いた。
「一ノ瀬A、です。愛知から来ました」
少し震えた声で、そう言った。
そして、教室が拍手で包まれる。
すると、彼女は小さく会釈をした。
担任が「ありがとう」と声をかけ、続けて言った。
「席は、花巻の左な」
そして、俺の左隣に視線を送る。
流れで俺と目を合った。
「よろしくな」、そう言われた気がした。
下を向きながら、小走りでこっちに向かっている彼女。
席に座るとき、肩についた髪から香ってきたのは、何か、花の香り。
なんだよ、なんだこれ。
少女漫画かよ。
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黒瀬(プロフ) - みおせさん» 貴大くんいいですよねぇ。めちゃんこ忙しすぎて、なっかなか更新できんのですが、頑張ります！ありがとうございます。 (2023年3月25日 15時) (
レス) id: 59e036be23 (このIDを非表示/違反報告)
みおせ(プロフ) - 初めましてコメント失礼します！マッキーメインの話を探していたのでとっても嬉しいです！先のお話も楽しみにしています！ (2023年3月24日 4時) (レス) id: 50719844cf (このIDを非表示/違反報告)
ひーな(プロフ) - 黒瀬さん» あら、ご苦労なこった。作品も応援してるね！ (2022年12月2日 19時) (レス) id: e6a88033a9 (このIDを非表示/違反報告)
黒瀬(プロフ) - ひーなさん» あざす！次は英検やわ笑笑 (2022年12月2日 19時) (レス) id: d01723e5ca (このIDを非表示/違反報告)
ひーな(プロフ) - 花巻………！好き…。勉強頑張れぃ (2022年12月1日 18時) (レス) id: e6a88033a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒瀬 | 作成日時：2022年10月8日 17時
